星空サイダー【Alan】 (ページ32)

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そして高2の夏、いよいよ実行に移すことにした。

音楽室に移動して音楽の授業

授業が終わり、次は1組が音楽室を使う。

あらかじめ友達に聞いて調べておいた

Aちゃんが座る席の机の中に

俺の生徒手帳を入れておく。

Aちゃんなら気付いて届けてくれると思った。

そうしたら昼休み、教室の入口から

『白濱くん、いますか』

やっぱり来てくれた。

「なに？俺？どうしたの」

『これ、音楽室に忘れてましたよ』

「あ！生徒手帳！音楽室にあったのか〜助かった。さんきゅ」

『いえ、じゃあこれで……』

「待って、Aちゃん。お礼に購買でなんか買ってあげる」

『はい？』

「遠慮しなくていいから！ほら、行こう」

地下の購買に連れて行く。

正直めちゃくちゃ心臓バクバクしてた。

「飲み物でもいい？」

『あー……いいです、なんでも』

「選んで？」

『じゃあ……これ』

自販機にお金を入れてボタンを押して、飲み物を渡す。

「はい、どうぞ」

『ありがとう……』

「サイダー、好きなの？」

『なんか暑いから飲みたくなって』

そう言って笑うAちゃんはやっぱりかわいくて

「あー分かる！夏の暑い日に飲むのサイコーだよね！」

『うん。ありがとう、白濱くん』

でも、" 白濱くん " なんて呼んでなかったじゃん。

「……こちらこそ、生徒手帳届けてくれてありがとね、Aちゃん」

小学生の頃、俺と遊んだこととか覚えてないのかなって

ちょっと寂しくなった。

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