あの日、あの時、あの場所で Ⅱ【Reo】 (ページ34)

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『まあねー……追っかけて東京行ったのに浮気しててさ、信じられなかったよ』

芳乃「えー優しそうだったのに！見かけによらずやるなあ」

『ホントにね(笑)今だからもう笑えるけど』

芳乃「頑張ったんだねえ……東京ではなんか出会いとかなかったの？」

『……なかった』

なかったなんて嘘。

芳乃「その間なに(笑)その顔、嘘ついてんでしょ！聞かせなさいよ！」

やっぱりバレるのね(笑)そんなに顔に出てるかわたし。

『働いてた喫茶店にね、よく来てたお客さんと仲良くなって……その……でもわたしが好きになっていいような相手じゃなくて』

嘘は言ってない、よね？

芳乃「なにそれ！？Aも浮気とか不倫に手を染め……」
『違うから！』
芳乃「じゃあなに？好きになっちゃダメって」

『は、俳優さんで……』

芳乃「誰？有名な人？」

『いやー……どうかな』

芳乃「ふーん」

……疑われてるけど嘘は言ってない。
俳優さんってのは厳密に言うと違うから怒られそうだけどどうか許してほしい。

芳乃「その人とはいい感じだったの？仲良くなったんでしょ？」

『うん、よくはしてもらってた。こっち戻ってくる前にちょっとケンカしちゃったけど』

芳乃「えーじゃあそのままさよならしたの？好きだったのに？」

『まあそんな感じ。もう連絡先も消したし、会うこともないから向こうも忘れてると思うよ』

わたしは結局離れても
玲於くんのことひとつも忘れられてないんだけど。

芳乃「あんたもそんな性格だからうまくいかないんじゃない？人のこと言えないけど」

『そうかな……わたし誕生日なのにこんな話したくないんだけど』

芳乃「そうだよね、ごめんごめん(笑)さ、飲も飲も」

芳乃と一緒だと割と楽だななんて思ったり
性格真逆だからうまくいくのかもしれないな。

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