【第五人格】影の中で愛する2 【陰キャ組】

修復可能 【占い師】 ページ30

イライ視点

イ「A、いるかい？」

……今日も返事はなし。

「……何かあったら言うんだよ」

最後に彼女の顔を見たのはいつだっただろうか？
彼女に……

A視点

……最後に部屋を出たのはいつだろう。
最後に人に会ったのは、話したのはいつだろう。

カーテンの隙間から見えた外は、
雨が降っていた。

私は窓を開けて外を眺める。
打ち付ける雨はあの時のことを流さずに、私の体に滲んで深く、黒く蝕んでいく。

……思い出してしまう。

『どうして貴女は出来ないの!?』

『アンタなんていらないわ』

ただひたすらに、時が流れていく。

……

そっと聞こえてきたのは、
愛しい人の声。

イ「僕には過去を見通すことは出来ない。
だから、君の過去も、辛さも何も分からない。
……綺麗事だったらすまない。
「未来」はいくらでも変えられる。
いつでも戻っておいで。
どうかこの声が、君に届きますように」

……ありがとう
そう返事をして。

どう頑張っても過去は消えないけど。
だったら「未来」を変えてしまえ。

ドアを開けたその先には、
愛しい人がいた。
彼の優しさが、少しずつ滲んだものを流していく。

大丈夫。
1歩が無理なら半歩でもいい。

前に行けば、きっと。
空が返事をするように。
澄んだ青色が顔を出した。




明日短編投稿するとか言いながら投稿出来ずにすみませんでした!!
月曜日から少し忙しくて……ホントすみませんでした!!

38人目のお気に入り登録ありがとうございます!!

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