貴方の反応が見たいのです【文豪ストレイドッグス】

君と私の距離 ページ49

〈中島敦様〉

『置いて……行かないで』

「大丈夫。1人にしないよ」

あの時の恐怖が急にのしかかってきて。
視界を、脳を支配して。
そっと抱きしめあって、
彼は誰にも見えない場所で覚悟を決めたような顔をした。


〈黒の時代 太宰治様〉

『置いて行かないで下さい……すみません、こんな我儘を』

「はぁ……」

呆れてしまったか。
其の瞬間、彼は無表情のまま優しく抱きしめて。
私にそうやって優しくしてくれるから、
私の中で何かが形成されていくんだろうね。


〈太宰治様〉

『置いて行かないで下さい……』

「ん〜寂しいのかな、Aちゃん？」

またそうやって笑顔になるけど、
近いようで遠い貴方を掴みたくて。
何処でもない1点を見つめる彼の横顔は、
今の私には恐怖でしか無かった。


〈江戸川乱歩様〉

『離れないで……行かないで……』

「何？僕は此処に居るんだけど？」

君が事件を解決する度、
私の中でもやもやした物が出来て、
貴方との差が有り得ないほど出来てしまって。
これ以上、私を振り落とさないで。と。

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