#605 花魁のしきたり ページ8
"ときと屋"の座敷のひとつの梅の間。
そこでは花魁の次席の明里と、
十二歳くらいの禿がひとり、
煉獄の相手をいていた。
基本、禿は遊女の見習いなので、
遊女について、その技術を盗むのだ。
それは閨の場にも及ぶ。
「まぁ、お前様は、剣の師範を
なさっているのですか」
遊女は客のことを【お前様】と呼ぶことが多い。
この時代の女性は夫のことを
【お前さん】と呼んでいたからだ。
「あ、ああ、そういうことだ」
「あの、遊郭のしきたりの話をしましょうか?」
「ああ、頼む!」
実は煉獄は遊郭のしきたりは
あまり知らない。
「私は花魁の次席なので、初回のお客様でも
閨を共にするんですが、
花魁は違うんですよ」
「どう違うのだ?」
「花魁と閨を共にするには、
三回、通わなければなりません」
「三回も!」
「一回目は、花魁は一言も口を
聞いてくれません」
「ええ!?」
「二回目で、食事とお酒を嗜められられます。
でもそれだけ」
「それで?」
「三回目で、やっと帯を解いて、
閨を共にするのです」
「はー、なるほど。
その何も出来なかった一回目と二回目も
同じ料金を取るのか?」
「ええ、それがしきたりです」
「なんだが凄い世界だな…」
「それ程、花魁とは特別なものなんです」
そう明里が言葉を区切ると、
襖の向こうから声をかけられた。
「すみません、お酒とお食事の用意が
出来ましたのでお届けに参りました」
(えっっ!?)
煉獄はぎょっとした。
それはいつも聴き慣れている声。
煉獄が戸惑っていると、すっと
襖が開き、髪をポニーティルにし、
小姓のような男物の着物を来た
都希がそこに座っていた。
♪───O(≧∇≦)O────♪
花魁って美貌だけじゃなく、
教養も必要なんです。
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9月14日の20時、
#606 出会い
の一話のみの更新です。
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作者名:ミーニャ | 作者ホームページ:https://ameblo.jp/mienya-suzume/entry-12742086534.html
作成日時:2022年8月30日 20時