緋炎と桜花 #1【煉獄杏寿郎】【鬼滅の刃】

#9 香りは見えない魔法 ページ10

彼女の名前は都希という。

そして話を訊くと令和という時代から来て
帰る手立てがないらしい。
これは何とかしてやろうと、考えを巡らせるも
煉獄の屋敷には父と弟の千寿郎がいる。

こんな夜中に若い女子(おなご)
連れ帰ったら余計な誤解をさせる。
それに都希にも迷惑がかかる。

どうしたものかと
考えた末、隊員の病院兼療養所の
蝶屋敷が思い浮かんだのだ。

立ち上がるのを手伝おうと手を差し伸べたら、
都希は腰が抜けて歩けないと言うので
ひょいっと横抱きにした。
重いから降ろしてと言ってたが
まったく問題ない位軽い。

すると、ふわりと花のような
甘い香りが鼻をくすぐった。

(髪からか？いい香りがする……
それにやわらかくてあったかい……)

背中に背負うという選択肢もあったが、
あえて横抱きにした。
そうすれば顔がよく見えるから。

(腕にその体温を感じていたい)

さらにそう思っていた。

(それにさっきの、声にならない
甘いような痛いような気持ちの意味も
知りたい)

しかし、全力疾走に全集中したため、
前しか見てないので
顔はよく見てなかった……

「杏寿郎ー！待ッテー！！」

その全力疾走する煉獄の後を
彼のカスガイガラスの要がついていった。
煉獄が主(あるじ)の要は色々大変である(笑)

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煉獄さんサイトのお話、その2です。
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