緋炎と桜花 #1【煉獄杏寿郎】【鬼滅の刃】

#13 抱擁 ページ14

煉獄は都希をそっと
抱き寄せた。

「もう大丈夫だから……」

都希には見えてなかったが、
しのぶはそんな優しい表情をしている
煉獄を見たのは初めてだった。

(あらあらあら、これはこれは…♡)

「あ……」

その間(かん)、数秒。

ぼんっ！！

と都希の頭から湯気が出た(笑)
正気に戻ったらしい。
慌てて煉獄から体を離すと、

「わわわ、私ったら、なんて失礼なことを！！
あああ、ありがとうございます！！
もう大丈夫です！ちょっとパニック…いえ、
混乱しちゃって！！」

「本当に大丈夫か？」

「大丈夫です！」

「はいはい、煉獄さん」

しのぶがふたり引き剥がし、
割り込みながら言った。
マンガなら【わりこみっ！！】
とか効果音が入りそう。

「うら若い乙女にあんまりベタベタ
しないで、とっとと離れてください。
あんまりやるとお館様に言いつけますよ」

お館様。それは絶対服従の言葉である。

「煉獄さんがうら若い乙女に当人の許可を
得ずにベタベタ触ってたって」

「それは困る！！
お館様に嫌われる！！」

煉獄は狼狽した。

「わかったんならもう駄目ですよー」
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