いい薬 【次元side】 ページ10
そして俺は、手に持った盗聴器と格闘していた
次元「……大体、こんなんで何するって言うんだよ」
ポイッと机の上にそれを投げるとソファーに寝転がった
次元「別にあいつらの勝手じゃねぇか」
食い終わった飴の棒を取り出し灰皿に置くと再び飴を口に入れた
そして灰皿の横にある機械に手を伸ばした
次元「何やってんだ俺は」
まだ硬く大きい飴を噛むとポケットにある全ての飴を机にばらまいた
飴と共に、狙って機械を手にした
次元「五ェ門が、餓鬼に変なこと しねぇようにだ」
よし。イヤホンを耳に入れ息を飲んで盗聴器のボタンを押した
耳障りな機械音の少し後に、慣れた声が耳に響いた
「五ェ門!これみて……素敵」
五ェ門「あぁ」
「でしょ、ほらッ!付けてみたら完璧じゃない!!」
何してやがるんだ。
五ェ門「それもいいが、拙者はこっちの色の方がいいと思うが……」
「あら、良いじゃない!…ねえ、もっと近くで見てよ…」
五ェ門の遠くから聞こえていた声が物凄く近くで聞こえて頬に汗が伝った
五ェ門「……たしかに」
「ほら、触って…凄くいいよ?」
五ェ門「ッ、……なんという柔らかさ…」
そこまで聞くと無理やりイヤホンを引き抜き立ち上がった
扉を強引に開けると珈琲を飲むルパンと不二子が驚いたようにこちらを向いた
不二子「あら、反省したの?」
そういう不二子に盗聴器を投げつけた
次元「チッ、アイツは五ェ門の女だよ」
そう吐き捨てるとキッチンにある埃のかぶったバーボンの栓を開け一気に飲んだ
ルパン「オイオイどうしたんだ次元のやつ」
不二子「……フフッ」
ルパン「何笑ってんだよ」
不二子「変な勘違いをした人がいるみたいで…聞いて?」
ルパン「ん?……ははぁん なるほど。
こりゃあおもしれぇな」
不二子「いい薬になったんじゃないかしら?」
ルパン「違ぇねぇな」
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