回復して ページ5
ふと、キラリと光るものが水面に浮いていた
それを見つけ水に手を入れると何かに触れたので持ち上げた
｢っ、これ……｣
それは藍玉の小刀。
しかも何故か岩から抜けている
しかし触れているが何も起こらないのを見てA
は再び眉を下げた
｢…あ｣
ふと、思いついたように小刀を握ると短いスカートに刃を立て素早く切り裂いた
細く長く。
刃を立てると長い包帯が完成した。
それを置き羽織っていた上着を腰に巻き付ける
そして隠せるギリギリまでその上着も切ると水で濡らして次元に近づいた
｢次元ごめん、背中めくるね｣
服をめくるとそこに濡らした服を当てる
次元｢ん……はぁ…｣
我慢していた息が漏れるように吐かれるのを感じると、冷やしてや水で濡らすのを繰り返した
次元の痛みが収まったのか息遣いが安定したのを確認した
｢次元、少しお腹上げられる？｣
次元は腕で体を持ち上げるとAは素早く
次元を後ろから抱きしめるようにして
先程の濡らした服を固定するように包帯を巻いた
｢…いいよ、ありがとう｣
次元｢…お前さん、怪我は…｣
｢このタイミング？…次元のおかげでなんともないわ｣
次元｢そう か、｣
そうして次元は再び床に頬をつけるが細かな石が頬にめり込むのを見てAは腰にある服を取り畳んだ
｢顔、あげて｣
次元が向いていない方から声をかけると素直に頬を上げた
その頬に着く石を優しく払うとその下に服を置いた
次元｢おま……ｯ｣
起き上がろうとする次元の頭を無理やり服に押し付ける
｢いいから、こっち見ないで｣
次元｢ぅ……、嫁に、行けなく なるぞ｣
｢店あるから平気だし、寂しいから早く回復して｣
そんなぶっきらぼうな言葉を投げかけると次元は直ぐに大人しくなった
そんな次元の頭を優しく、数回撫でると
｢ありがとう｣と小さく声をかけた
とはいえ、下着にシャツだけの姿のAは
丈が少し長いシャツなのに安心するのだった
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