イエローパロット 【主人公side】 ページ34
扉の開く音とともに
いい香りがした、CHANELの5番
「いらっしゃい不二子さん」
不二子「おめでとう」
「ん?」
不二子「次元の事よ」
「っ!!」
顔に熱が上がるのを感じながら俯く
不二子「あら、あなたもいいもの付けてるのね」
不二子さんは首元をつんつんと触る
「恥ずかしいよ……」
不二子「次元がここまでするのは珍しいのよ」
「そうなの?」
不二子「昔から、次元が愛した女は何故か死んでしまう……怖いのは次元も一緒よ」
「…私は絶対死なないわ」
不二子「この世界に絶対なんてないわ」
不二子さんは、先程出したカクテルをゆっくりと口に含んだ
不二子「でも、次元は必ずあなたを守るわ…命に変えても」
その言葉に瞳が揺れる
「大切な人がいなくなるのは、嫌」
涙が浮かぶのをぐっと堪えた
「それなら私も、次元の事を命懸けで守る」
不二子「……いい女っていうのは、自分で自分を守れる女よ」
「……不二子さんの真似?」
不二子「え?」
「それ」
そうしてカクテルを指さした
不二子「……あ」
「イエローパロット、カクテル言葉は」
不二子「騙されないわ……なーんだバレてたのか」
そうして首からマスクを外し胸の空気を抜いた
「いらっしゃい、ルパン」
ルパン「なんでわかったんだ?」
「匂い」
ルパン「香水は同じのを……」
「ジタンの独特な香り、微かに香った」
ルパン「ぬふふ、次元はコレに気づかないんだがな」
「鼻は効かないのね」
ルパン「……次元は義理堅い男だ」
「…知ってる」
ルパン「前の男よりいい男だぜ」
「ありがとうルパン」
ルパン「…ほーんとは、俺っちが貰ってあげたかったんだけどなぁ」
「ふふ」
そう言うとルパンはイエローパロットを一気に飲み干した
ルパン「じゃあまたな」
「うん」
そういうとルパンは足早に去っていった
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