夢か、真か 【次元side】 ページ32
目が、覚めた
カーテンから差し込む、僅かな光が目を冴えさせる
上体を起こすと、左にはすぅすぅと息を吐きながら眠るAがいた
「……ん」
身を縮ませるAを見て慌てて布団をかけると少しだけ微笑んだように見えた
ベットから出て、服を拾いズボンを履いた
そして振り返ると、昨日の出来事が嘘ではないと実感する
次元「……気にしてやがったのか」
初めて会った時から、名前を知った時から惹かれ
その名前を、口にすることもおこがましいような気持ち
不二子を呼ぶのと、Aを呼ぶことの大きな違い
深く考えもせず、そう身体が感じ取り行動していた
ゆっくりと、再びAの横に寝転がる
腕をAの首の下に伸ばすと腕に重みを感じた
そんなAの顔を見て笑うと、ふと少し下に目がいった
次元「っ〜!!」
横を向いていることによって見える、Aの膨らみに中学生のように動揺した
慌てて周りを見渡し手の届く範囲にあった帽子を胸元に置いた
次元「猿じゃねぇか」
お前さんには、いつも助けられてるな。
と、ボルサリーノに礼を言う
そして再び眠気が襲うのを感じて、目を閉じるのだった
、
、
、
、
、
、
「……次元」
その声に目を開くと、Aの顔がものすごく近くにあった
だが瞳は見えず、先程同様規則正しい寝息が聞こえる
次元「……A?」
そうして呼ぶ声に反応したのか、まつ毛がピクリと
動くと、ゆっくりと灰色の瞳が光を成す
「ん……次元…」
そうして首に回される手に、返すように抱きしめた
「んふー」
次元「ガキみたいじゃねぇか」
「いいじゃない、それでも」
そう言ってAは頬にキスを落とす
「純粋に、あなたを愛せるのが……嬉しい」
Aの首ともに顔を埋め、しばらくして離した
次元「なら、俺の射程距離内にいやがれ」
「なぁに?撃たれちゃうの?」
次元「悪ぃが女を殺す気はねぇ」
「そうね、考えといてあげる」
そうして悪戯に笑うAに小さく舌打ちを打った
次元「……生意気な女だな」
「欲深いガンマンなこと」
そうしてAもまた、俺の首に顔を埋めるのだった
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