バーボンをストレートで Part2 (ページ26)

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閉店時間ページ26

それから3日後、夜5時

Aはいつもの様に店を開けた

次元が来なくなってからもう4日

かと言ってアジトに行く勇気もAにはなかった

｢ありがとうございました｣

数組のお客様が帰りまた静けさが残った

カランと、音が聞こえて顔を上げた

｢……いらっしゃい｣

次元｢……おう｣

久しぶりの次元は、ぎこちなくもいつもの席へと向かった

｢バーボンでいい？｣

次元専用のグラスをだしてバーボンの蓋を開けた

次元｢あ、いや……｣

その手を止めるように声を発するとAの手が止まる

次元｢この店の……閉店は何時だ｣

Aはちらりと時計を見る

6時を少し回ったくらいだった

｢……次元が帰る時間…その時間にいつも閉める｣

その言葉に次元の瞳が帽子の中で揺れた

次元｢…じゃあ戸締まりを直ぐにするこった｣

それだけ言うと次元はおおきな袋を取り出した

｢……なにそれ｣

次元｢これ着てこい｣

直ぐに店を出る次元に立ち尽くした

部屋に戻り袋を開けるとそこにはイブニングドレス

｢わ……｣

背中は程よく開き繊細な装飾だった

瞳とおなじ、グレーのマーメイドライン

それに身体を通すと白い肌が映えた

奥には靴も入っており、Aは呆然とそれを履いた

｢……すご｣

全部高そうだけど大丈夫かなこれ。

そんなようにAは思ったが意を決して

次元の待つ外へ向かった