バーボンをストレートで Part2 (ページ25)

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純粋な生き物【次元side】ページ25

アジトから不二子が出た数時間後

ようやく扉が開くと不二子は俺の前に立った

不二子｢あなた、どうして優しく抱きしめてやれなかったのよ｣

次元｢……どうして抱きしめてやれる｣

不二子｢あんなに辛そうに泣く女が目の前にいるのに、なんで……！｣

次元｢アイツは五ェ門のでも、ルパンのものでもねぇ。違う誰かのもんだ｣

そしてグラスに注いだバーボンを流し込んだ。

その言葉に不二子は呆れたようにため息をつく

不二子｢あなた、あの子のこと好きじゃないの？｣

次元｢ﾊｯ、馬鹿言えよ｣

その言葉に少しばかり動揺するも息を吐き誤魔化した

そして残った酒を一気に飲んだ

次元｢……あんな純粋な生き物との愛なんざ

悪酔いしちまうよ｣

ポロリと、呟くように言った言葉を不二子は聞き逃さなかった

不二子｢なら、ちゃんと伝えることね｣

頭の上から降ってくる紙を手に取ると

『〇〇ホテルディナー招待券』

と書いていた

不二子｢今度新しくできたホテル、何人か招待されてるのよ｣

次元｢……ｹｯ、俺は行かねぇぞ｣

不二子｢そう、どうぞご勝手に｣

不二子はそう言うとその場を離れた

もう一度招待券に目をやる

期限は3日後……か

だいたい、アイツがこんな所で飯を食える服を持っているのか

次元｢……ﾁｯ｣

招待券を胸に押し込むと寝室へと向かうのだった