バーボンをストレートで (ページ6)

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口説かれる女【次元side】ページ6

｢いらっしゃいませ｣

今日も店に来た次元は前回と同じ席に腰を下ろす

次元｢バーボンをストレートで｣

｢はい｣

ふわりと微笑む女は伏し目がちに酒を完成させた

｢ごめんなさい、今日はベーコン豆ではなくて……｣

突然そんなことを言われ少しばかり虚をつかれたが

この偽の顔を覚えられていた優越感に浸った

次元｢いいんだ、これも美味そうじゃねぇか｣

いろんな野菜をスライスされ揚げられたものをつまみ口に入れる

その姿を見た女は嬉しそうに目を細めた

｢ごゆっくり｣

その言葉に微笑みかけると煙草に火をつけた

女の反応を見るが、煙草を嫌がる素振りはなかったため安心したが息を吐く場所に気を使う

｢どうしちまったんだ……｣

今日は俺以外に2人組の男が酒を飲んでいた

かなり酒が入っているように見えた

その男達の前で重なったグラスを拭く女

男達は女を見つめ声をかけた

男｢姉ちゃん美人さんだな、名前は？｣

そう話しかけられる女に俺は意識を向けた

｢Aと言います｣

グラスを拭く手から視線を話さずに答えた

Aっていうのか。

そんな事をふと思ったがそれじゃああのチンピラと
同じじゃねぇかと酒を飲んだ

男｢なぁ、店終わったら遊びに行かねぇか？｣

｢ごめんなさい｣

口説かれているのに、まるで興味のないように振る舞う女

その姿に男は気を悪くしたのかグラスを拭く手を強引に掴んだ

男｢態度わりぃなこっち向けよｯ｣

その拍子に手からグラスが落ち劈くような音が響き

女はようやく男に視線を合わせた