久しぶりの 【主人公side】 ページ44
それから3日
石川｢ふぅ、いいスジしてるわね｣
｢……どーも……｣
ドギツイじゃねぇか髭オヤジぃいい！！！
石川｢じゃあまた夜からね！｣
ホテルには帰れねぇ練習はキツイ髭は来ない…
ふと、鏡の前を横切ると数歩後ろに下がった
｢……なんか｣
心無しか細くなった？
それでいて鍛えてるところには平等に肉が付いていた
背中に寄った肉をつまむとビーチで次元につままれたのを思い出した
というか3日でここまでって石川夫人はやばいやつだと改めて認識した
｢……ご飯食べよっと｣
石川｢あ、A！ちょっと米買ってきて！｣
その言葉に渋々財布を持ってジムを出た
眩しく光る太陽に目が眩み下を向いた
｢ちぇー、次元がいたらもう少しだけ楽しいのに…｣
小さな石ころを蹴るとそれは転がり前を歩く人の靴に当たった
男｢おお、なんだよ｣
すぐさま男は顎を掴むと無理やり視点を合わせた
男｢可愛いじゃん！｣
男｢ラッキー｣
軽口は軽口でもルパンとは大違い
男は腕をつかみ壁に押し付けられる
男｢近くで見たらますますいい女じゃねぇか｣
顔が近づくのを確認すると腰を落として腕を捻り
男の手から腕が抜けるとそのまま肘で顎を突く
倒れる男に、後ろにいた奴も意を決した様に飛びかかった
｢石川夫人、ほんとすごい｣
そう呟くと肋を狙って足を振り上げた
震える男を置き
その場から駆け足ではなれると大きく息を吐いた
守れた、自分のこと…良かった
次元｢おう、逞しくなったじゃねぇか｣
聞きなれた、3日ぶりの声に振り返る
｢っ、次元！！｣
次元｢さすが石川だな、ここまでとは｣
｢見てたの？｣
次元｢あぁ。…だがひとつだけ抜かってる｣
そう次元が言うと彼の後ろからさっきの男が殴りかかってきた
｢次元っ！！！｣
名前を呼び勢いよく走り出すとその瞬間ハイキックを繰り出したのは次元だった
次元｢やるなら徹底的にだ、こういうタイプは特にな｣
その言葉が頭の上から聞こえるのを感じると
初めて次元の腕の中にいるのがわかった
｢っ、なにしてんのよ！｣
次元｢お前さんが飛び込んできたんだろ｣
｢うるさい！｣
次元｢はぁ、たっく……ほら帰るぞ｣
｢え！？ちょっと修行は！？｣
次元｢優秀だったため飛び級で実践作業だ｣
まだお礼を言っていない石川さんを思って次元に手を引かれた
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