好きでいてもいいですか part3

本当の本当に、最後 ページ40

時間はすぐにたって、大変だったけど充実した時間だった



最後の日、全校生徒の前で挨拶して職員室にも挨拶に行った





明田「優秀だったらしいな」





「おかげさまで」





明田「やっぱり3年の担任がよかったからかな」





「関係ないです笑」





明田「生意気だわやっぱり」






明田は去年結婚して、結婚式にも呼ばれた






なんでこいつが捕まえられたのかと疑うくらい綺麗な人だった






明田「…まだ、わすれられない？」




真面目な顔で聞いてくる明田


こいつも年をとった、という感じだったけど高校の時から整った顔はいい感じに大人を演出していた






「…多分、そうですね」




人一倍生徒に気を使ってくれるから、生徒が集まるんだろうなと思った





「ありがとね、明田先生」





明田「…初めてちゃんと呼んだな」





「これが最後です」





明田「…生意気」




ふわっと笑った









、









、








西浦「………はい」






「失礼します」






ここにくるのも、3年ぶり





西浦「お疲れ、良くやったよ。優秀だった」






「そんなことないです」





いつもの席につく私達






西浦「…後悔してたよ、卒業式」





「私もです、」






西浦「そっか、」





先生は机の引き出しの中から手紙を出した






西浦「渡そうって思ってた、あの日」






「私に？」





西浦「受け取ってほしい」





そっと差し出された、すこし日焼けした手紙を受け取った





「…家で読みます、今読んだら離れられなくなる」






西浦「…ん」





首を触った、多分先生は…今読んでほしい





気付かないふりをして、先生に言った






「私、忘れられなかったんです…」




「まだ、あなたが好きです」





西浦「そっか」





「いい人なんて現れません」






西浦「…そっか」






「だから、まだあなたを好きでいます」





西浦「…嬉しい、多分俺も…どこかでAを思ってる」






机の上においてあった、真新しい袋を取り出す






西浦「実習お疲れ様」






そう言って渡された





「そんな…もらえません」







西浦「もらって」





半ば強引に袋を受け取る



西浦「俺のこと、忘れたくなれば捨てていいから」





なんて、悲しそうに言った先生を、抱きしめた






最後に触れた孝至さんの体は、すごく暖かくて、やっぱり煙草の香りがした








「すきです、孝至さん」

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