好きでいてもいいですか part3

最後のキス ページ30

カーテンからのぞき込む光に導かれて目を覚ました





体には大きな布団が被されていて、ベットに座るあなたはタバコを吸っていた





「孝至さん…？」





声に反応して煙を吹かす




西浦「ごめん、起こした」




「いえ、目が覚めただけです」





起き上がって後ろから抱きしめる





西浦「そんな格好で抱きついたらだめだぞ」





「孝至さんにしかしないです」





西浦「生意気」






煙草を灰皿に押し付けて振り返りキスをする






「ん……にがい」






西浦「お前のは甘い」





西浦「煙草を吸ってる奴が吸ってないやつにキスすると甘いんだって」




「それは化学の先生の知識？」





西浦「男の知識」





そう言ってまたキスする






西浦「離れたくない」






「だめです。…終わりにしましょ」





西浦「今まで通りじゃダメなのか」






「…西浦さんには、幸せでいてほしい」





「だから、あなたの前からいなくなります」




それが、私ができる精一杯




西浦「…ごめんな」







「…ひとつ、お願いがあるんです」






「多分、わたしはあなたを忘れられません。」





まっすぐ、孝至さんをみて言った





「でもそのうち…あなたより愛しい人ができるまで……孝至さんを好きでいたいんです」





孝至さんの手を取った







「…先生、好きでいてもいいですか」







忘れないで、私があなたのことを好きなことを






西浦「俺は、ずっと忘れないよ」









抱きしめられながら、最後にしたキスは








煙草の香りと







舌のちょっとした苦味






それと、あなたの香水の香りがした









私の恋は









夢のように終わった









好きです、先生

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