好きでいてもいいですか part3

卒業式 ページ34

琴美「わーーーーん！Aーーーー！！！」








「琴美泣かないでよ、まだ式も始まってないよ笑」






琴美「だってだってー！」








今日は卒業式。




高校、最後の日。








まだ式が始まる前で、教室で待機中








教室の扉が突然開くと明田が入ってきた








明田「全員いるかー？席についとけよー」







いつもよりすこししっかり着こなしたスーツ







胸には花が添えられており、寝癖も思われない髪型のセットだった









明田が閉めたドアが、また開いた








見慣れた顔が教室に入る








西浦「はーい、最後の服装点検！きりーーつ」






両手を上にあげて生徒を立たせる









順番に生徒の服装を見ていく先生方








あれから生活点検なんて無かったから、すごく久しぶりだった






一番後ろの席だったので、後半になってから見られた









きたのは、あなただった









西浦「はいスカート、ピアスー。…メイクは、してないな」







ずいっと顔に近づかれた時、ドキッとした






そのままキスしてしまいそうな衝動に駆られたが、そんな馬鹿みたいな気持ちをぐっと堪えた





西浦「はい、おっけー…」





紙にチェックをつける


そのままゆっくりこちらを向いた






「…どうしたんですか？」





何食わぬ顔で聞いた







西浦「…耳見るの忘れた…」





髪の毛をかきあげて、耳にそっと口を近づけた





西浦「…式が終わったら、あの場所で待ってる」






嘘つき







もうみたくせに







そっと離れるあなたの香り








最後の最後まで、私はあなたの生徒でいたかったのに







あなたは私を、どうして忘れてくれないの？








複雑で、どこかで嬉しいと思う気持ちを抑えて






明田の号令で会場へ向かった

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