真実と嘘と輝きと part2

映る記憶　　【主人公side】 ページ16

身体に強い痛みが走る


そのまま土の香りが顔を覆うと

何故か流れてくる、不思議な映像




大きな花畑、歩き慣れた道




そんなことを考えながら、勝手に動いた唇からは







レイェンダの花畑







その言葉が出た




心地の良い低い声が私を呼ぶのを感じた








少ししてだろうか、痛みが走る




それにより引き戻される感覚に、重い瞼をゆっくりとあける




「ん……」




見慣れた天井が見えると、再び腕に痛みが走る




「いっ…」




次元「起きたか」




「ｯ！…次元……」




顔を横へ向けると、椅子に座る次元がいた




身体を起こそうと力を込めるが、重力を何倍も感じふぅっと息を吐いた




次元「大人しく寝とけ、まだ無理だ」




「……どこも、怪我してない？」




次元と別れる際の、あの光景を思い出す




次元「……あぁ」




その言葉と変わらない様子に微笑み息を漏らした




次元「自分の心配をしやがれ、死ぬかもしれなかったんだぞ」




少し強い言い方に、目頭が熱くなる




「……無事でよかった」




次元「……」




そして黙ったまま煙草に火をつけた






次元「もっと自分を大事にしやがれ」


次元は呟くように言うや否や思い出したように顔を上げた

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