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「本当って…何がだよ」
「だから…そのお姉さんと付き合ってるって。さっきの男の子達が言ってたじゃない」
「だからそれはアイツらの…!」
「ちょ、ヒカルくんまた大声!歩きながら話そ?…えっとあかりちゃん、で合ってるかな。三人で一緒に帰らない?」

そう聞くと、あかりは「はい…」と小さく返事をした。

(もしかして、あかりちゃんヒカルくんのこと…)

沈んだ顔のあかりを横目に三人で歩きはじめる。どうにか誤解を解きたいと口を開いた。

「困るよね、彼氏なんて。私年下なんて全然タイプじゃないのに」
「…え?」
「そんなのこっちからお断り」
「ヒカルくん、さっきから酷いんだけど…」

ヒカルの首に腕をかけ軽く締めるようにする。するとヒカルは「ギブギブ!」と私の腕をトントンと叩いた。
腕を緩めるとヒカルがこちらを睨むが、それが何だか可愛く思えた。

「私は昨日からヒカルくんの家に居候させて貰ってるだけだから…全然そんなんじゃないよ。むしろ弟ができたみたいな感じ」
「!…はい」
「俺姉ちゃんがこいつみたいなのなんて絶対やだね」
「ヒカルくん…まだ会って一日なんですけど」

あかりちゃんは私の言葉で頬を赤く染めてホッとしたように下を向いた。
その仕草が可愛くて胸がきゅんと締め付けられた。
佐為の方に顔をやると、彼もあかりの気持ちを何となく察したようでにこにこと笑っていた。

「私山下Aって言うんだ。敬語なんて大丈夫だから良かったら仲良くして欲しいな」
「もちろん!…私は藤崎あかり!ヒカルの幼なじみなの」
「へーヒカルくんの!二人、仲良いんだね」
「別に。こいつが俺の周りをウロチョロしてるだけだ」
「ヒカル!ウロチョロってどういうことよ!」
「そのまんまじゃんか」
「ふふ、仲良いね」

それからしばらくしてあかりと先に別れ、ヒカルと二人で歩いた。

「A」
「…え?」
「何で小学校に来てたんだよ?そのまま帰ればよかったのに」
「いや…その、地図を落としちゃって…」

そう言うとヒカルは呆れたようにため息を着いた。それに私は何も言えず肩を落とした。

「…そういえばヒカルくん、さっき初めて私の名前呼んでくれたね」
「そうだっけ」
「そうだよ、…嬉しい」
「ふーん…そーかよ」

ヒカルの頬が桃色に染まる。それがバレないようにかそっぽを向く彼がとても愛しく感じる。
「もう一回名前呼んで」と頼むと「やだね」と断られた。
ヒカルとの距離が近くなったように感じて、それがたまらなく嬉しかった。

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作者名:ちゅぴ | 作成日時:2022年9月10日 2時

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