【ヒカルの碁】弟なんかじゃいられない (ページ8)

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「何って言われても…」
「わかった！お姉さん彼氏を待ってるんだ！」
「彼氏！？」
「かッ…違う違う！」

小学三、四年生くらいの男の子から”彼氏“なんて言葉が出てくるなんて、いやそれよりヒカルが私の彼氏だと言われるなんて。
驚きのあまり言葉を詰まらせたが、すぐさま否定する。

しかし男の子達は、最近覚えた言葉を使いたがるように「彼氏だ彼氏だ！」と連呼しはしゃいだ。
違うと否定しても余計に喜ぶ彼らにどうすれば良いかと頭を悩ませていると、やっと彼が見えた。

「お前、何でここに？」
「！ヒカルくん…！」

助け舟が現れたというように、私は男の子達からヒカルの方へ駆け寄り彼の腕をぎゅっと掴んだ。

「離れろよ！」と腕をぶんぶん振り回すヒカルを見て、これで家に帰れるという安心とアウェーな環境からやっと知っている人を見つけた安心でホッとため息を落とす。

「やっぱ彼氏なんだ…」
「ほんとに彼氏待ってたんだ…」

そんな私を他所に、男の子達は今の一連で私とヒカルが恋人同士だということに確信を持ったようであっけらかんとしていた。

そんな彼らに「何だよ？」とヒカルが首を傾げると、彼らは皆に聞こえるくらいの大声で「ヒカルくんが中学生の女子と付き合ってるー！」と叫び逃げていった。

それにヒカルは「はあ！？誰がこんなやつと！」と男の子達と負けない声量で叫ぶ。

周りに注目されているのに気がつき「まぁまぁヒカルくん！」と止めに入るが、ヒカルの”お前のせいで”というような視線が痛くて、口を閉じた。

「ヒカルくんとりあえず…」
「今の本当なの？ヒカル…」
「あかり？」

振り返ると、ヒカルの同級生か可愛らしい女の子が不安げな顔でこちらをチラチラと見ていた。