【ヒカルの碁】弟なんかじゃいられない (ページ24)

今日:5 hit、昨日:9 hit、合計:3,280 hit

24 ページ24

時計は20時をまわり、食後皆リビングに集まっていたが自室に戻ったり、洗い物をするためキッチンへ移動したりと少しずつ解散していく。

私は風呂場へ向かった。いつもついつい長風呂をしてしまうため大体お風呂は最後に入っている。
シャンプー等を済ませ、湯船に浸かって今日のことを思い出す。

結局部員に囲碁を知っている人はいなかった。将棋ならわかるけど、と言ってくれた人もいたが将棋は私がわからない。

(私が囲碁を勉強してみんなに教えれば…)

そんなことを思い浮かべる。私が先輩や朋子に囲碁を教える…それって何だかとってもかっこいいのでは！？
そう思うと俄然やる気が出てきた。
勢いよく立ち上がり、佐為に囲碁を教えてもらおうと浴槽から出た。

「あ、A、入ってたのか」
「ひ、かるくん…」

パジャマに着替えている途中。ヒカルが歯磨きをしに洗面所へと入る。
幸い私の格好は上はブラとキャミ、下はきちんとパジャマを履いていたのでそれほど恥ずかしい格好なわけではない。

しかしいくら露出が少なく姉弟のようだといっても着替えているところを見られるのは何となく恥ずかしい。
そんなわけで何も言えずに固まっていたが、ヒカルは私のことなど気にもせず洗面台へと近づいた。

「そういや今日塔矢が葉瀬中に来たんだ」

ヒカルは歯ブラシをくわえてそう言った。その声で止まっていた私の体は再び動き出した。

「へぇ…ヒカルくんに話したいこととか聞きたいこといっぱいあるから、髪乾かしたらそっちの部屋行くね」

その言葉にヒカルは「ん」とだけ返事をする。
歯磨きを終えたヒカルは「早く来ねーと寝るからな」と言って洗面所から出ていった。

「だから塔矢に言ってやったんだ、お前とは打たないって。俺がアイツに追いつくまで」
「ふふ、ヒカルくんすごいやる気だね」
「あぁ、また筒井さんと大会に出るんだ…と、そういやA話したいことあるって言ってたよな」

ヒカルの部屋で私達は今日のことを話す。その頃にはもう時計の針は21時をまわっていた。

「あ、うん…私高校でボードゲーム部に入ったんだ」

ヒカルは「ボードゲーム部？」とはてなを浮かべる。私が部の説明をすると彼は面白そうだと言った。

それから事の経緯を伝え、佐為やヒカルに囲碁を教えて欲しいと伝える。
すると佐為は嬉しそうに「勿論です」と笑った。