弓射るこころ SECONDseason [完]

85 You ページ35

〜 蓮くんがアメリカ行ってから2度目の春

朝の日差しを見上げる


桜の木がゆらゆらと優しい風に吹かれ揺れている


ちょうど2年前の春…入学したばかりの私は、ここでただひたすら自分のために弓を引いていた


まだ蓮くんとも知り合っていなかったあの時


私は恋をするという事をちゃんと理解していなかった


その人の事を思うだけでこんなにも強くなれるなんて…知らなかった


そっと目をつぶると聞こえるのは


目黒：(俺…この音好きなんだよね…)


いつの日か蓮くんが好きだと言ったその音


蓮くん…今あなたは何をしてるんだろう


そっと目を開ける


私は今日もゆっくりと力強く弓を引く


この瞬間、これから先ずっと


私は蓮くんを想う


パキューンッズサ


そう…的の中心を射抜いたこの弓矢が示すのは


私の真っ直ぐな蓮くんへの気持ち


ガラッ！！

七海：あー！！A！こんな所にいたあ(｀_´)


A：あー！七海！笑


七海：あー！七海(^^) っじゃないわよ！笑


向井：相変わらずやなあ〜笑


深澤：せっかくだしみんなで写真撮ろうぜ！


翔太：こんな日まで弓道ってお前…笑
生粋の弓道馬鹿だな笑


阿部：まあ、ここで弓道出来るのも最後だもんね…笑


ラウール：うー(´；ω；｀)
先輩〜留年してくださいよ〜…泣


翔太：無理言うなよ笑


そう…今日私たちは思い出の詰まったこの場所を卒業する


寂しくないと言えば嘘になるけど…


私たちはどんなに離れててもお互いが思っていれば


大丈夫だって事を知っている


きっと蓮くんがそれを私たちに教えてくれたから…


だから迷うことなくそれぞれの道へと進めるんだ



向井：よし！みんな寄ってよって！！撮るで！


阿部：康二笑セルカ棒持ってきてたのかよ笑


深澤：自分映る気満々だな笑


七海：撮ってあげようってゆー精神ゼロね笑


翔太：ラウール笑えって笑


ラウール：せんぱ〜いっ…泣( ;ᯅ; )


A：ラウール笑 スマイルスマイル！笑

パシャッ


ラウールは泣きっ面だけど…みんなよく笑ってて…


A：よく撮れてる…笑


校門に向かう学校の桜並木の道…


その写真を私はアメリカにいる彼に送る


蓮くんとのトーク画面


A 送信： 写真

A 送信：卒業したよ！笑

既読


目黒 送信：おめでとう。今日は桜が綺麗だね笑


A 送信：桜？ 送信ボタンをおそうとした時




目黒：卒業おめでとう…




嘘だ…。


そこにはたくさんの花束を持った蓮くんが居た

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