ラウールside ページ34
弱々しいAの声…。
その声は俺に必死に大丈夫だと言い聞かせているようだった
俺がどれだけ行かないでと頼んでも、
Aはやっぱり…
A:…蓮は…?
あいつの所へ行きたいみたいだ…。
ラウール:…あんな奴…しらねーよ…。
A:……。ねぇ、ラウール…私のこと心配してくれてるのは分かってる……でもね、
そう言ってAは俺の頬に手を伸ばした
空中で迷子になっているその手を…
そっと俺は迎えに行く
あの時、Aが俺をそっと抱き上げてくれたように
俺は…この手が好きだ
いつでも俺を優しく包み込んでくれるから…
A:……もう、彼を許してあげて…。
人間にも……妖を愛する気持ちは…あるのよ
ラウール:…俺は……人間は…嫌いだよ
A:…ラウール
でも、そんなふうに頼まれたら
俺はやっぱり拒めない
ラウール:……
A:…お願い
ラウール:……分かったよ
Aのその手をギュッと握りしめる
A:…おっきくなったね…笑
握りしめたこの手は…俺を助けてくれた小さな手
ラウール:Aは…小さくなった
A:…そうかな笑
分かってる…。
俺はこの手に…そしてなにより
Aに求めてばかりで
何もあげられていないから…。
ラウール:あいつ………呼んでくる
誰をかは言わない
俺はあくまで…Aに言われてもやっぱり…
人間は嫌いだから
A:…ありがとう
小さく笑うAを見て
思い知る
Aを泣かせるのはいつもはあいつだけど…
Aが笑うのもやっぱり…
あいつのことを思う時なんだ
ラウール:…A
A:…ん?
ラウール:………居なくならないでね
A:………
そう言ったAに背を向けて
部屋の戸を開けたとき…
ラウール:…っ?!
目黒:…。
そこにはあの男がいた
ラウール:…。
そして俺は何も言わずに横を通り過ぎる
好きだった
いや。
きっとこれから先も俺はAが好きだと思う
…いなくなってしまう
俺は覚悟を決めないといけないんだ
ラウール:おい
部屋に入っていく人間を呼び止める
目黒:…。
ラウール:…もう、時間が無い
そう言うとそいつは何も言わずに部屋に入っていった
今まで我慢していた涙がどんどん溢れてくる
宮舘:…ラウールくん
失いたくない
それなのに今俺に出来ることは何も無い
俺はAを失いたくないから
……ここに来たんだよ
俺はそのために…強くなったんだ
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中間のんちゃん(プロフ) - 初めまして。更新楽しみにしています。お忙しいと思いますが、頑張ってください!続きが気になります。 (2021年3月16日 11時) (レス) id: 2a1d60382d (このIDを非表示/違反報告)
うつわ - 初めまして!この作品を読んですごく涙が出てきました。早く結末が見たいです。頑張ってください! (2021年1月23日 15時) (レス) id: ced7731a7e (このIDを非表示/違反報告)
amn(プロフ) - せなさん» せなさん!ありがとうございます!これからも頑張りますね!!(^^) (2021年1月20日 20時) (レス) id: 792676874f (このIDを非表示/違反報告)
せな(プロフ) - amnさん!待ってました!切ないですね( ; ; ) (2021年1月17日 19時) (レス) id: 9b27145adf (このIDを非表示/違反報告)
amn(プロフ) - せなさん» せなさんっ泣!コメントありがとうございます^ ^!本当に感謝します泣励みになります! (2021年1月5日 19時) (レス) id: 792676874f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:amn | 作成日時:2020年12月25日 14時