翔太side ページ6
あの日
売られたんだ
そう言われたAは取り乱すでもなく
泣きわめくでもなく…ただそっと
A：(蓮…)
そういった
Aを芸妓として売りたい。という話が両親から姫菊屋に持ち込まれた時
その品定めをして来いと斉森家へと行かされたのが俺だった。
〜
A：蓮！
目黒：また来たのかよお前///
A：どうせ暇でしょ？笑
目黒：いや、暇じゃねーし笑
A：嬉しいくせに///
目黒：…まあ、邪魔ではないけどな///
〜
そう言って笑い合う2人を見れば恋愛に疎い俺でも理解した。
Aには…恋人がいた事
2人は愛し合っていたんだと思う
目黒蓮…。
斉森家が順調に仕事をこなしていれば
今頃その跡取りとしてAと一緒になっていた男
A：…
あの時とは違って1番上の階にあるAの部屋
若い新人から古株の芸妓までが皆
Aのことを 十六夜花魁 と言って慕っている
この世界にいる誰もが欲しがる名誉なのに
いつだってAはそうやって悲しそうに窓の外を見ている
渡辺：…まだ、好きなのかよ…。
届きもしない問いをその背中に問いかける
自ら逢いに行ける訳でもなく
アイツが逢いに来てくれる訳でもないのに…。
その姿を部屋の外からそっと見つめていた時
宮舘：十六夜花魁は今日もぼんやりしてるの？笑
俺の事を意味深な笑顔で見つめる涼太
渡辺：しらね…。
宮舘：Aはよくやってるよ。踊りも唄も…。元々素質はあったとはいえ、努力しなきゃあれほどの実力は得られないからね
渡辺：…そうだな
宮舘：翔太の目は本物だね笑
渡辺：…
宮舘：それか…、翔太は花魁としてじゃなくて、1人の女性としてAの事っ、 渡辺：うるーせよ…。
その先を言われる前に俺は涼太の言葉を遮るようにその場を去る
宮舘：やれやれ…笑
自分がよく分かってる
俺が手に入れられる訳でもないのに…。
宮舘：翔太
渡辺：…なんだよ
宮舘：翔太は…俺みたくなるなよ
渡辺：ああ。
Aの舞を見れば
その姿に江戸中の人々がそっとため息を落とした
我ながら馬鹿なんだと思う
姫菊屋で働く下っ端に芸妓への色恋は御法度だと
そう言っておいて
自分自身が芸妓に本気で惚れているから…。
ましてや相手は…
A：翔太、ラウール知らない？
渡辺：…、あ、いや知らねーけど
宮舘：さっき店先ににいたよ？
A：そう、ありがとう笑
そう言って通り過ぎるAを
俺は捕まえることすら出来ないんだ
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ぱこ - amnさん» これ今も読んでる方いるのかな。。2023年。最高すぎた。また戻ってきて欲しいな〜。面白い。感動する物語ばっかり。。。 (2023年1月7日 21時) (
レス) id: 3d14e5f4bc (このIDを非表示/違反報告)
amn(プロフ) - はるさめさん» はるさめさん！コメントありがとうございます泣！吉原ラメント聴いてみました…(^^)素敵な曲ですね。聞きながらより世界観に入り込んでいただけたなら何よりです！！ぜひ他の作品も楽しんでください！ (2021年5月8日 7時) (レス) id: 792676874f (このIDを非表示/違反報告)
はるさめ(プロフ) - 素敵な作品に出会えた事、最後まで綺麗に創作して頂き感謝します( T_T)十六夜を思う皆んなの気持ちに感動しました。配役が本当に素晴らしいです。恐れながら吉原ラメントを聴いて読み、相まって色んな情景が思い浮かび沢山泣きました。他の作品も読ませて頂きます (2021年5月3日 2時) (レス) id: aa2e7d3e80 (このIDを非表示/違反報告)
amn(プロフ) - 黒闇 蓮さん» 黒闇 蓮さんコメントありがとうございます！完結した後も尚読んでいただけている事を実感出来てとても嬉しいです泣。感動していただけてなによりです^^ (2021年2月27日 23時) (レス) id: 792676874f (このIDを非表示/違反報告)
黒闇 蓮 - すごく感動しました。吉原はよく耳にしますが、花魁は華やかしくも悲しい茨の道なんですね。後宮と同じようで違う世界観に感動致しました。 (2021年2月11日 20時) (レス) id: 6840ce10b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：amn | 作成日時：2020年12月8日 11時
