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 あの突然の襲来から、ことあるごとに家にやって来るようになった淳太くんの弟もとい重岡大毅と秘書の桐山照史──このふたりを見ていると淳太くんが缶詰の開け方も知らない生活能力皆無人間になった理由がちょっとだけわかった気がする。

「それにしても弟さんとベタベタしすぎやろ!」

「……え、もしかしてそんなことで拗ねてたん?」

「そっっっ…そんなことちゃう!死活問題や!!」

ただでさえともくんの教育上よろしくないから過度なスキンシップは禁止されてるのに超過保護な秘書さんの視線が怖すぎて近づけず、弟さんは淳太くんが俺の肩を持ったのが気に食わなかったみたいでライバル視されてて見せつけるように淳太くんにべったりだし…淳太くんも淳太くんでくちでは文句を言うけど満更でもなさそうにやさしく微笑んじゃって!

「〜〜〜のんちゃん寂しい!」

「うわっ…もう…智洋起きてまうから静かにしてや」

「弟さんと秘書さん…ともくんとも仲良しだし…」

「のんちゃん来るまではお世話頼んでたからなぁ」

「淳太くん…弟さんと秘書さんと阿吽の呼吸だし…」

「しげは弟で照史も身内みたいなもんやからなぁ」

「俺は?俺は淳太くんのなに?」

「…………あ、え、なんやろか」

ともくんはぐっすり寝てる。ちょっとだけならええやろとテーブルのうえに無造作に置かれた淳太くんの手に手を重ねる。

「恋人にして!」

「飼い主やなくて? それはお断りやけども…」

「ちゃう!言うたやん、淳太くんが好きやって!」

「えっ、え、もしかして…あれ本気やったん……?」

「はあ〜!?」

「ほんまごめんって……だ、だって俺ら男同士やし…それにのんちゃんみたいな若くてかっこいい子がこんなくたびれたシングルファザーを好きになるなんてにわかには信じられへんやろ…」

ほんっっっまにありえへん!!俺の気持ちが1ミリも届いていなかったことも、やさしくてかっこよくてスマートで、周りのひとからあんなに愛されてるのに自分のことを卑下するとこもほんまありえへん。

「俺はもう怒りました」

「……ご、ごめんって」

こうなったら意地でも愛されてるって自覚させて、俺のことを否が応にも意識させたんねん。恋人うんぬんの前にまずはそこからや。

「こっから猛アピールしてくんで覚悟してや!?」

「えぇ……」

「折りいって淳太くんにひとつお願いがあります!」

「な、なんや」

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作者名:26 | 作成日時:2022年10月21日 0時

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