24 / 7（JW桃黄） (ページ38)

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　最近少しずつ俺に甘える、俺を頼ることを覚えてくれた淳太と保育園のお友達とその保護者に＂ともくんのパパ＂と紹介してくれるようになったともくんは相変わらず可愛くて、ふたりのためになりたくて仕事をがんばっていたら結果に繋がってきて、もう恐ろしいほど順風満帆。

「ほんでな、大手からウチに来ないか？って」

「ヘッドハンティングやん！のんちゃんすごい！」

のんちゃんがんばってたもんなぁ、と目を細めてきれいに微笑む淳太にあたまをなでられてないはずの尻尾をぶんぶん振ってしまう。

「けど、実際問題どうするつもりなん？」

「うーん…」

「真面目なのんちゃんのことやからせっかく拾って育ててもらったのにひょいっと簡単に乗り換えるなんて…とか思ってへん？」

「思ってます…」

「周りを思いやるのはのんちゃんのええとこやけどいまは一旦置いといて、自分がどうしたいか考えてみ。俺は今の会社に残ろうが、新しいとこに挑戦しようがのんちゃんが決めたことなら賛成して全力で応援するから」

「淳太ぁ〜！」

ほんま頼りになるいい嫁さんもらったわ。
ほんまは頼れる旦那さんになりたいけど、これはこれで。

「で、のんちゃんに声掛けてきた企業どこなん？」

「絶対驚くで。あんな、じつは──」

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「なあ…ほんまに行くん…？」

「うん！新幹線のチケットも取ったし！」

　俺にとって自慢の旦那、智洋にとって自慢の父親になるためにのんちゃんが仕事をがんばっていたのは知っていたから、大手企業からヘッドハンティングの声が掛かったのは自分のことのように嬉しかったが、まさか声を掛けてきた企業というのが＂実家＂とは。

「ともくんしんかんしんのるん！？」

「せやで、新幹線でじいじとばあばに会いに行こな」

「じいじとばあば…ともくんあいたい！」

のんちゃんが実家まで足を運んで両親から結婚を承諾をもらってきた時も正直信じられなかったし、のんちゃんが何度もあいさつに行こうと誘ってくれたのを断り続けていたが智洋にそう言われてしまってはNOとは言えない。

「どんな顔して会ったらええねん…」

とはいえ、前日は寝付けず当日新幹線に乗りこんでからも不安は積もるばかりで柄にも車内でこっそりのんちゃんの手を握っていた。