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雇主と労働者から恋人同士になり、お給料がお小遣いの名称に変わり、中間家の財布を任せられたり──いろいろと変化があったけれどなによりも大きな変化があったのは淳太自身だと思う。
「淳太、起きへんの？」
「んぅ〜…」
「ともくんも寝てるしのんちゃん暇やわ」
「おきてるよぉ」
「起きてへんやんかぁ、このこの〜！」
「っと…のんちゃんも寝たらええねん」
「は…」
おやすみだからって昼になってもお布団となかよくしていた親子に声を掛けると腕をくいっと引かれて布団に引きずり込まれた。せっかくの天気なんやからお外遊びにいこうや〜という訴えは俺の腕を抱えこんですぴすぴ寝ている寝顔を前にしたら飲みこむしか他なくミイラ取りがミイラになる。
「んぅ…」
「ふふっ、かぁーわい」
恋人の名のもと無条件で触れることが許されたふわふわのねこっけをなでるとふにゃりと表情がゆるんで手のひらに擦り寄ってくる──いつもどこか気を張っていた淳太がやわらかくなった理由が俺やったらうれしいな。
「お。ともくんどした？おしっこ？」
「…ともくんのばしょ」
「おいで。パパ寝てるから起さんようにな？」
「ぁい」
むくっと起きたともくんが眉間にシワを寄せてにらみを効かせてきたと思ったら、俺と淳太の間の定位置やないことにご立腹だったようで移動してきた。
──…あれ、なんか、家族っぽいんやない？
「結婚したいってこと？」
「うんっ♡」
「無理やで」
寝癖つけてパジャマ姿でぽけーっと遅めのお昼ごはんを食べていた淳太はピシャリと言い放つ。
「だってのんちゃん無職やん」
〜トドメのひとことを添えて〜
「専業主婦になるならありやけど、どうせのんちゃんのことやから嫁になるのは俺なんやろ…やったら旦那さんにはしっかり働いてもらわな」
「……就活する。淳太が働かんでもともくんを養えるくらい稼いだる…！」
「正社員やで。３日で飛んだりできんからな？」
「ん、わかってる。頑張る。ほんまに頑張るから…旦那さんってやつもっかい言うてくれへん？」
「やだ」
「せやな、まだちゃうもんなー？」
・正社員としてお勤めする
・ともくんとなかよくする
・弟さんと秘書さんを納得させる
課された条件はなかなか手厳しいけど、可能性があることや��まだちゃう��に心躍る。絶対結婚して旦那さんって言うてもらうねん！
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作者名：26 | 作成日時：2022年10月21日 0時
