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 定時に会社を出たあと、スーパーとドラッグストアをハシゴしてのんちゃんから頼まれていたものをすべて購入して猛ダッシュで帰宅。

「ただいまー…あれ?」

出迎えもなければやけに静かなわが家。台所、リビングともに無人で、帰宅中に智洋に何かあって病院にでも向かった…と不安になりながら寝室を覗くと真っ赤なほっぺたでくぅくぅ寝息を立てている智洋と、智洋を抱え込むようにしてぶちゃいくな寝顔を晒しているのんちゃんが気持ちよさそうに眠っていた。

「ったく男前が台無しやな……でも…」

奥で雪崩れてる洗濯物の山、枕元にころがっているタオルとぬるくなった保冷剤と体温計、朝とはちがうシーツ…のんちゃんお疲れさま。ぶちゃいくな寝顔が愛おしくてふわりなでるとぴくっと反応が返ってきた。

「んん……じゅたくぅん…」

「掛け布団かけんと…のんちゃんまで風邪引くで」

「…ふふ…だじょぶ……へっ、あ、やば!ごはん!」

「あ!大丈夫!俺がやるから!」

心配そうなのんちゃんは頭にド派手な寝癖をつけて、おなじく寝癖をつけた智洋をだっこして台所についてきた。レトルトかい!と不満気だったけど食卓にならべればぺろりと親子丼を平らげ、智洋もおかゆを半分ほど食べてくれた。

「明日の水族館は残念やけど…明日はゆっくり休んで智洋のお熱がさがって元気になってから行こうな」

「…おさかなさんまっててくれる?」

「智洋がくるまで待っててくれるから大丈夫やで」

「ともくんおねつさげる」

「せやね」

明日のこともあったから昼休みにしげに智洋が体調崩したことを連絡したら、即行折り返しがきて「大丈夫なんか?病院は?個室取るで?」と照史も併せて大騒ぎで大変だった。

「で、のんちゃんは大丈夫なん。1日中ずっと智洋とおって、布団もかけずに寝とったけど…大人にも感染るんやろ?」

「だいじょーぶ!俺タフなんで!」

「そっか。ほんまありがとう、助かった」

「ん〜〜〜じゅんたくーんっ!!」

「ぐえっ」

頭をなでてやったら飛びつかれた。その飛びついてきた大きな身体がやけに温かった気がするけど、まさかな。



「なーにがタフやねん。しっかりもらいよって!」

「ごめぇん」

翌朝、のんちゃんも智洋もなかよく37.7度。
ふたりまとめて看病することになったんだけど、智洋よりものんちゃんのほうが痛がりの甘ったれやから大変で大変で…!

「ふへっ」

でもなんか智洋がうれしそうやからまぁいっか。

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作者名:26 | 作成日時:2022年10月21日 0時

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