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 玄関で出迎えてくれた淳子にくちで説明するのはむずかしいけれど漠然とした違和感をおぼえつつ、リビングのドアを開けるとヒクヒクと嗚咽まじりで泣きながら宿題をやっている大毅の姿があった。

青「……宿題の量多かったん?」

黄「ちゃう」

大毅はああ見えて音読やお手伝いなど保護者によるチェックが必要なもの以外の宿題は学童で終わらせてくるタイプだったからリビングでドリルとノートを広げているなんて──宿題がいっぱい出て終わらなくて泣いているのかと思ったけど、どうやら違うらしい。

黄「宿題やってへんのにやったって嘘つかれて…」

青「ほんで怒ったんや」

黄「……うん。別に宿題をやらなくても後々困るのは自分やからええねんけど…嘘吐いたりひとの所為にしたのが許せなくて怒ってもうた…」

青「いや、それは怒られて当然やと思うで」

黄「……でも言い過ぎちゃったかもしらん」

怒った方も怒られた方もどっちもへこんでて、取り急ぎ宿題を終えた大毅を風呂へと誘った。学校の授業で何をやってるのか、給食はおいしいか、なんてアイドリングトークで場をあたためてから「今日さ、」と切り出したのに大毅はぽろぽろと涙をこぼしはじめた。

青「今日は学童で宿題やらんかったんや?」

赤「1くみがしゅくだいなしやって、みんなサッカーするって外行っちゃったから…しゅだいやろうとおもったけど…みんなとサッカーしたかったの」

青「そっかそっか。みんなが外で遊んでるのにひとりで宿題やるなんておもんないもんな〜…別にあとでちゃんとやるなら宿題後回しで遊んでもええんよ」

赤「…ん」

青「ママに嘘ついたのはなんで?」

赤「おこられるから…」

青「怒られたくなくて嘘ついたのに怒られてるやん」

赤「……」

青「嘘吐いたり、友達のせいにしたあかんよ」

赤「……はい」

青「あと100数えて風呂出たらー?」

赤「…ママにあやまる」

100までつっかえずに数えた大毅は風呂からあがるなり身体も拭かずにすっぽんぽんのまま走り出し、数秒後に「え!何事!?」と淳子が驚く声。

青「こら大毅。大毅もママも風邪も引くで」

赤「…それはあかん」

廊下に落ちた水滴を辿った先でびしょ濡れのすっぽんぽんの大毅を洋服が濡れるのも構わずぎゅーっと抱きしめている淳子がいた。どんな光景やねん。

黄「せやね、土曜日遊びにいくもんね!」

赤「うん!」

青「土曜……は?ちょお聞いてへんけど!?」

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作者名:26 | 作成日時:2022年4月26日 12時

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