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濃紺のセットアップに赤の蝶ネクタイ、胸に大きなお花をつけて緊張した面持ちでカクカクした行進をしながら入場してきた大毅。担任の先生が名前を読み上げるとホールに響き渡るような大きな返事をして、園長先生から卒園証書を受け取る──保育園に行きたくないと毎朝泣いていた息子の立派に成長した姿に淳子はもうボロボロと大号泣。俺もつられそうだったけど席にもどりながら俺たちを見つけた大毅がニコニコ笑顔でピースサインをかましてくるもんだから涙はどっかに飛んでった。ほんまやってくれるわ。
『だいきくんママ〜、じつはうちの子、年少さんの時からだいきくんのことが好きで…だけど小学校は別々になっちゃうから記念に写真撮ってもいいですか？』
なんて顔を真っ赤にした女の子のお母さんから可愛らしいお願いをされたと思えば大毅と記念撮影するための列ができてて、なかにはどうみてもラブレターなお手紙やプレゼントをくれる子までいて──。
青「なんやあいつやるなあ、モテモテやんか」
黄「ちょっと誇らしいよね」
──数日後。
緑「大毅、今日はほんまにありがとう」
赤「けっこんしきたのしい♪」
今日は神ちゃんと小瀧の結婚式。卒園式でも着たセットアップでキメて無事にリングボーイという大役を果たしてお礼におもちゃをもらい、披露宴ではおいしいご馳走をたらふく食べて、ふたりの親族や友達にちやほやされて大満足の大毅さん。
黄「あとは�陲舛磴鵑半隼砲笋�〜」
赤「あきと！けっこんしきして！あした！」
緑「明日はいくらなんでも無理やろ〜！」
赤「じゃあいつするの？はまちゃんも！」
橙「ウッ……したくても相手が……ていうか大毅がおおきくなったら自分でやったらええねん」
紫「そうだ！そうだ！好きな子とかおらんの？」
桃「そういえば卒園式でモテモテやったんやろ？」
緑「大毅はイケメンやし足速くてやさしいもんな」
赤「すきなこ……うーん……ママっ！」
桃「この子可愛いって思う子とかは？」
赤「ママ！めっちゃかわいい！」
紫「……これ言わせてるわけとちゃうよな！？」
黄「ばっ…！言わせてへんわ！」
もうすぐ小学校１年生。俺が同じくらいの時は保育園の先生とか同じクラスの可愛い子とか好きな子のひとりやふたりいた気がするけど…大毅が淳子以外に好きな子を見つけるにはまだまだもうちょっと時間が掛かりそうです。
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作者名：26 | 作成日時：2022年4月26日 12時
