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残業をして帰宅。玄関の出迎えなく、洗い終わった洗濯物が山盛りのカゴを抱えて洗面所からでてきた淳子は「あ、おかえりなさい」と足も止めずに言い終えるとバタバタとリビングに行ってしまった。
青「淳子ぉー晩飯はー？」
黄「キッチンにあるやろ。温めなおしてー！」
先に風呂を済ませてもどってくると淳子は風呂に入る前と変わらず大毅が気持ちよさそうに寝ているソファの近くで洗濯物を畳んでいた。
青「うわ…ビールないやん…」
黄「ほんま？…あ、ごはん食べたら洗いものはわたしがやるから流星は大毅ベッドに運んだって、よろしく」
残業で疲れた身体はアルコールを欲していてビール以外になんかないか聞きたかったけど、畳んだ洗濯物を持って家中を行ったり来たりしている淳子には話しかけないが吉と相場が決まっている。毎日洋服を汚して帰ってくるわんぱく坊主がいるのにここのところ天気が悪くて洗濯できなかったしな…あとで落ち着いたら聞こう。ほいで一緒に晩酌しよ。
黄「流星ありがと」
青「ういー…あいつ重なってきたな」
黄「もうそろそろだっこしんどなってきたよねー…ていうか流星。ごはん食べたら食器は水につけといてっていつも言うてるよね」
青「あ、ごめん」
黄「もう…大毅でもできてんのに…はぁ…」
ため息吐かんでもええやろ！とは思ったけど、これは俺に非があるし、こういう時は噛み付いたらいけないことは過去の経験で心得ている。話題を変えよう。
青「あれっ、麦茶…沸かさへんの？」
黄「麦茶がないことにさっき気づいてん…とりあえず明日大毅が保育園にもっていく分だけでもペットボトルでええかなって思ったんやけど…あかんかった？」
青「あかんことはないけど…いまからやったって明日の朝に間に合うやん。お湯沸かしてパック入れとくだけなんやし、やったったらええんやない？」
黄「………は？お湯沸かしてパック入れるだけ？」
あ、やべぇ…と後悔した時には時すでに遅し。
黄「そんなん言うなら流星がやってや。煮出しすぎたらあかんから時間見て、できたら保存容器に移して時間置いて粗熱取ったあとに冷蔵庫で冷やして、その間に使ったもの片付けて朝のバタバタしたなかでやると間違えて大変なことになるから洗っておいた大毅の水筒のパッキンはつけて──あ、ちなみに明日お弁当の日やから」
棚から取り出した麦茶のティーパックを渡して、じゃあおやすみとリビングを出ていった淳子──やった、俺やったわ。
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作者名：26 | 作成日時：2022年4月26日 12時
