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 出産後も大好きなファッションをたのしんでいた淳子も白は絶対避けたり、パンツスタイルが増えたり、足元はスニーカーが基本だったり、何があっても対応できるようにおおきな荷物を抱えたおしゃれで可愛いママだったけど、今日は久しぶりにヒールを履いて肩口に大判フリルのついた甘過ぎないワンピース必要最低限の荷物しか入らないミニショルダーのバッグを斜めがけにしたママじゃない淳子と腕を組んで歩く。

黄「デートなんていつぶり?」

青「大毅が産まれてからしてへんから…3年!?」

黄「ひゃー…」

青「もはや変なかんじやわ」

夏休みに帰省がてら関西に家族旅行。再来年にはお泊まり保育があるから慣らしておきたいということで大毅を実家に預けて、夕方から明日の朝まで久しぶりのふたりきりだからたのしむ気満々でめちゃくちゃ気合いを入れてデートコースも組んだ。

黄「めっちゃおいしい!あ、流星ついてるで!」

青「え?」

黄「ちゃうちゃう、こっち」

青「ほんまや」

黄「もー…何歳ですかぁ?」

気合いばっちりでデートコースを組んだけど、出掛ける時に玄関先までオカンと見送りにきてくれた大毅は仲間はずれにされたとぷんすか怒っていたし、早々に寂しくなってSOSが来ると踏んでいた──そんなことは一切なく、カフェでのんびり過ごして日が暮れてきた頃に空中庭園展望台で高所恐怖症でぴーぴー鳴いてる淳子と綺麗な景色を満喫。まだ大毅を連れては入れないレストランでディナーを済ませ、気づけばホテルのバーでほろ酔い気分。

黄「りゅせママから連絡きてる…?」

青「いや、来てへん」

黄「だいちゃん寝れたかなぁ」

青「新幹線もテンションあがってずっと起きてたから爆睡してんちゃう…まあでもお泊まりできそうでよかったやん」

黄「んぅー…うれしいけどなんか寂しいわ……」

ぷくっとほっぺたを膨らませて俯く。その表情が大毅が寂しい時にする顔とそっくりそのまますぎて思わず吹き出してしまえば可愛いにゃんこに睨まれた。うんうん。

青「俺も寂しいわ」

黄「こうやって手が掛からなくなってくんやな」

青「ちゃう」

黄「えー?そうやんか」

青「ちゃう。目の前にかっこいい旦那がおんで?」

黄「ふっ。わが子に嫉妬ですかー?」

青「わが子に嫉妬しましたけど何かー?」

オカンの話によると「朝になったら会える」と聞いた大毅は19時就寝の4時起床で早朝から玄関におったとか。

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作者名:26 | 作成日時:2022年4月26日 12時

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