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一瞬だった。ぎゅっと目をつぶった大毅がタコさんみたいにすぼめたくちを淳子のくちびるにむにゅっと押しつけ、くちびるが離れるともじもじしてから「まま、すき」とふにゃりと笑った。おい淳子、頬を赤らめるんじゃない。
赤「まま、ちゅーっ」
黄「んふふ、ちゅー」
赤「ふへへ♡」
あれ以来、味を占めた大毅の愛情表現にはキスが追加されて隙あらばちゅっちゅしてやがる。俺はしっかりおあずけを食らっているというのに……ちなみにキス＝結婚の誤解はといて、それとなーくほかのひとにお家のことはおしゃべりしないよって伝えたけど多分後者についてはポカンとしてた。そらそうだ。
赤「ねえまま、みてみてぇ」
黄「んー…んうっ！？」
赤「んふー♡」
黄「もーびっくりしたなぁ〜」
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紫「は！？なんやあのテクニックは…！」
橙「ったく流星なにおしえてんの、もう」
青「教えてへんわ！」
庭でバーベキュー中、コンロに近づかないようにタープの下で待っているふたりがいちゃいちゃしてんのを火を起こしながら眺めるおじさ…照史と�陲舛磴鵑�いう通り、最近大毅のキスのきっかけは凝ってる、というかなんというか、子供っぽくない。さっきも淳子の振り向きざまにキスしてたし……そんなんどこで覚えてくんねん…まだ年少さんやろ！？
紫「…よし、本人に聞くか」
青「は？」
橙「だいき、こっちでお肉やいてみるー？」
一瞬興味を示したわんぱく坊主もバーベキューとママを天秤に掛けたら秒でママが勝ったけど照史の「だいきが焼いたお肉ママにあげようや」のひとことに釣られてやってきた。
紫「だいきはほんま淳子が好きなんやな」
橙「さっきもちゅーしてたやろぉ〜」
赤「んふふふふふ〜！ないちょー♪」
ここにいた全員が「バレバレやで」と心のなかでツッコミを入れたに違いない。で、照史にはこっそり「だいね、さっきちゅうしたん」と教えてくれたらしい。
青「じゅんちゃん、おーーーねがいっ！」
黄「だいが寝たらね」
青「寝てるやん」
黄「今日はおしっこで起きると思うねん」
青「待てへん！する！」
バーベキューでテンションがあがって23時になってやっと寝たばかりの大毅の目元を覆うように手のひらをかざして、10日ぶりにキスをした。
青「これで起きても見えへんやろ」
黄「…ほんまあほちゃう」
翌朝、目が覚めると目の前には小さな手。まさか。
赤「〜〜〜♡」
大毅の出典元は俺だった模様。
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作者名：26 | 作成日時：2022年4月26日 12時
