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「やあああああああっ」

 起きがけに「明日から保育園やな」と声を掛けたら泣き出した大毅となだめる淳子が起床から2時間が経ってやっとリビングに降りてきた。淳子からいろいろと聞きたかったけど出勤時間が迫っていたから後髪を引かれる思いで家を出た。


黄「じつは慣らし保育に連れてって受け渡す時もあんな感じでギャンギャン泣いててさ…4月になったら保育園に通うってなんとなくだけどわかってたみたい」

もうすぐ淳子の育休が終わり職場復帰する。そうなると大毅は保育園に通うことになるため、先月から慣らし保育がスタート。保育園に預けるバックを見つけると中身をぽいぽい投げたりベビーカーの搭乗拒否して逃亡したり…毎朝バタバタ。

黄「ここのところ毎日離れたくないって泣いてる大毅見てたらまだまだ甘えたいざかりなのに保育園入れちゃってええんかな、親のエゴちゃうかなって思うようになっちゃって…」

青「じゃあ仕事辞めてずっと大毅と一緒に居るか?」

黄「……」

青「もし淳子がお金のことを考えて共働きせなあかんって思ってるなら、俺の稼ぎだけで家族3人なら充分養えるんやから大毅と一緒に居ったげてやって思うけどちゃうやん。仕事したいんやろ?」

黄「うん…」

青「大毅にとっても新しい環境で新しい刺激を受けるのはいいことやし、そのうち慣れるやろ…それでももしあかんかったらそれはその時に考えようや」



 翌日、ちょっとおめかしして緊張気味の大毅とめちゃくちゃ緊張してる淳子と入園式に参加した。なんで淳子まで?と思ったけど、同じクラスのママたちに話しかけられてわたわたしてたから納得した。

黄「はあー緊張したぁ…」

青「でも保護者もみんないいひとそうやったやん」

黄「かっこいいパパですねって言われたからやろ」

青「あらあら嫉妬?」

黄「ちゃうわ。だいちゃん、お着替えしよっか」

嫉妬いえば大毅のクラスはふたりの保育士が受け持つらしくそのうちのひとりがママたちから可愛い〜と言われて照れてたさわやかな若僧で。

保『こちら資料になりま…あ!』

赤『んべっ』

黄『あっ、こら。ほんとすみません…』

若僧が淳子に配布物を手渡そうと伸ばした手を大毅がぺちっと叩いて、プリントがひらひらと床に落ちた。

保『いえいえ──あっ、』

青『大毅の父です。息子がすみません。』

保『あ…いえ…大毅くんのパパかっこいいね〜』

他人を叩いたらあかんけど大毅ようやったと思わざるを得なかった。

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作者名:26 | 作成日時:2022年4月26日 12時

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