１８ ページ18
.
淳子の身体に異常がないとわかるとふたりで歩いて入院室までもどった。長時間の陣痛を経ての分娩で相当体力を消耗しているはずなのに気分が高揚しっぱなしで寝れそうにないと言っていた淳子だったけど手をにぎにぎしながら話しているうちにすやすやと眠りはじめた。明日の朝には息子が新生児室から部屋にやってくる。母子同室がはじまったら授乳とオムツ替えでゆっくり身体を休める暇もないだろうから今のうちにしっかり休めてよかった。
青「諸々の手続きはやっておくのでお任せください」
黄「はーい、流星もゆっくり休んでね」
青「また明日の朝来るから寂しそうな顔せんとって」
黄「りゅーせ」
青「なーにーもう甘えん坊なママやな」
黄「うるさい」
だっこをせがむ子どものように両手を伸ばす淳子を抱きしめる。あたりまえだけどおなかはぺったんこにもどっててなんだか不思議だった。
緑「パパは今日も病院通いですか」
青「あったりまえやろ。可愛い嫁と息子が俺を待ってんねんで、行かないわけにはいかんやろ〜！」
桃「うーわー…顔やっばぁ」
青「しゃーないねん、こないに可愛いんやから」
緑桃「「かーわーいーいーっ♡」」
スマホの待ち受けに設定された入院室で撮った家族写真を自慢気に見せつけると神ちゃんと小瀧の目尻が下がる。うんうん、わかる、わかるで。俺もこんな可愛い妻子持ちの男は世界で俺だけって本気で思ってる。
桃「あ、そうそう、昨日久しぶりに淳子さんとラインしたんやけど。見てみて！」
出産おめでとうございます！からはじまり、出産時のエピソードや子どもの名前が「大毅」にきまった報告から入院中にあった話でトークが盛り上がるなか、淳子が��母乳の出があまりよくないのに大毅がミルクを嫌がる��という不安をこぼしていて、最後は「誰に似たのかおっぱ いが大好きすぎてほんま困る」で締めくくられていた。
青「………」
緑「ふーん。流星って……ふーん」
青「〜〜〜神ちゃん勘弁してっ！」
よりによって小瀧にいらんことを言った淳子にひとこと物申してやろうと意気込んで仕事終わりの訪れた入院室、まさに授乳中で哺乳瓶を嫌がって淳子のおっぱ いを探す大毅──この際おっぱ いが好きなのは認めるけどさすがに俺はここまでやないなろ！？
黄「そう？流星が寝ながらわたしのおっぱ いに顔埋めるようすにそっくりや思ってんけど…そっか、ちゃうかったかぁ」
……淳子のほうが一枚も二枚もうわてだった。
→
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 440人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：26 | 作成日時：2022年4月26日 12時
