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　淳子から届いた「陣痛が来たからいまから病院行きます」というメッセージを見てしまったら居ても立っても居られず、上司に事情を話して病院に向かった。

黄「えっ、流星、仕事は？」

淳子は器具みたいなのを付けられて陣痛室のベットで横になっていたけどドラマで見るような痛がり方するでもなく安心していたら数分後には痛みを訴える。ただ子宮口の開きが遅いとかなんとかで一旦帰宅。

青「痛いなぁ」

仕事を休ませてもらい朝から病院に訪れると昨日とは打って変わってうーうー唸りながら必死に痛みに耐えていた。指先の色が変わるほど力いっぱいにシーツを掴む指や淳子の額に滲む汗が痛さを物語っている。

『結構開いてきたから分娩室に移動しようか』

痛みに耐える声が悲鳴だったりもはや声にならなくなってきて滅多に弱音を吐かない淳子が「もう無理」と泣きついてきたあと、フラフラになりながら歩く淳子を看護師と一緒に支えて分娩室に入った。

黄「え、え、なんか、え、」

『あ、破水したねえ』

ここからの記憶は曖昧で「ほらほら！旦那さんしっかりしてよ〜！」と助産師と看護師たちに怒られて笑われて、非力でか弱いとばかり思っていた淳子と繋いでいた手を痛いくらいにすごい力で握られたことに驚きながら、とにかく淳子も俺も必死で──だから産声が聞こえてきた時は安堵感と達成感で抜け殻だった…だけど出産間近の検診でへその緒が絡まっているかもしれないと言われながらも元気な産声をあげて産まれてきてくれた小さな命が肌に触れた時、ぽろっと一筋の涙をながした淳子がこちらを見上げてふわりとほほえんだ。

『あらやだ、上手ねえ』

処置を受ける淳子の胸元に寝かされたわが子は助産師と看護師もびっくりするほど上手に哺乳して、処置が終わると分娩室にふたりきり。

青「お疲れさま。ほんまありがとう。」

黄「こちらこそ、流星がいてくれてほんまよかった」

分娩台のうえに寝たままの淳子のほっぺたをなでると淳子の手が重なって気持ちよさそうに手のひらにすり寄ってくる。あー！今すぐ抱きしめたい。でも淳子の体調のためにもあかんよなー！あー！と心のなかで葛藤していると検査を終えて綺麗にしてもらったわが子がもどってきて、看護師から抱っこを勧められる。

青「……あかん……可愛い…」

黄「あ。」

青「えっえっ、うわ、どうしたらいいん！？」

感動したのは束の間、泣きだしてしまったわが子に慌てふためくパパ歴１時間の俺。

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