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黄「食欲ないからあとで食べる」
はじめてのことで比較対象がないからわからなかったけど淳子は悪阻の症状が重く、一般的には症状が軽減しはじめる10wを過ぎても治まる気配がない。おまけに微熱もつづいていた。
青「昨日もそう言うて結局食べへんかったやろ」
黄「……」
青「淳子がちゃんと栄養摂らな赤ちゃん困んねんで」
黄「そんなん言わんでもわかってんねん…」
本来なら休日はいろいろなところに出掛けるのが大好きな超タフな淳子にとって悪阻や微熱など慣れない体調不良は身体だけでなく精神的にも重くのしかかってきて、些細なことで泣いて怒ってをくり返しては感情的になっている自分を嫌悪してへこむ悪循環。
黄「もうやだ…あっち行って…」
青「…脱水になってもあかんから水分摂るんやで」
こっちに背中をむけて頭の先まで布団をかぶってぐずぐず泣いてる淳子を残して寝室を出てから、ため息をひとつ。代わってあげられない分、いろいろ調べて試行錯誤してはいるもののうまくはいかない。
緑「あー…逆にそれが負担になってるんちゃう?」
青「どういうこと?」
緑「流星が自分のことを考えていろいろしてくれるのはうれしいけど、流星が買ってきてくれたんだから食べなきゃ!ってプレッシャーになってんちゃう?」
青「そんなつもりは…」
桃「流星が頑張れば頑張るほどいま動かれへん淳子さんにはプレッシャーになんの。ていうかこれまでゆるーくやってきた人間が急にカチッとしたらビビるわ」
緑「押してダメやったら引いてみるのも大事やで!」
たしかにペットボトルやカットフルーツを置いて寝室を出たあともどってくると全部とはいかないけど量が減っていることが多い。
桃「欲しくなったらあっちからくるから」
青「俺のほうが淳子欲しい〜ってなった時は!?」
緑桃「「我慢しろや!」」
同期と後輩のアドバイスを聞き入れて、淳子が好きなものや食べれそうなものを買ってきた報告だけして食事の強要をやめたら淳子のほうから「食べたい」「ちょうだい」と言ってくるようになった。
黄「……流星ありがとう」
青「へっ、ちょお、なんやねんいきなり」
黄「あれ、照れてんの?可愛いなぁ〜!」
青「うるさ!離れろ離れろ!」
黄「やだ」
悪阻の症状が軽くなってきて微熱だけになった淳子は発熱時にテンションがあがってあまえてくる子どもみたいで可愛かったけど、スキンシップが割増で大変でした。いろいろと。
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作者名:26 | 作成日時:2022年4月26日 12時