赤黄２−１（★） ページ7
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まさかジュニア時代からずっと一緒にやってきた相方の婚姻届に証人として名前を書く瞬間がこんなにもはやく訪れるなんて──しかも相手は元後輩で現在は同じグループの真ん中で俺らを引っ張ってくれてるヤツ。あんなちっこくて細っこかったのに大事な相方をまかせられるくらいおおきく成長しちゃって。
赤「照史くんって淳太くんと仲良いですよね」
橙「仲良いっていうかコンビ組ましてもらってるからようやりとりするだけで──崇裕のほうが仲良いんとちゃうかな、帰り道一緒やし」
赤「なるほど。じゃあ�陲舛磴鵑吠垢�ます！」
ありがとうございました！と左目の下にえくぼをつくって立ち去ろうとするしげを「なんやねん！気持ち悪いから言えや！」と捕まえて吐かせたことを数秒後に全力で後悔することになる。
橙「……え、お前淳太くんのことが好きなん？」
赤「うわっ、ばっ、照史くん声デカいっすよ！」
橙「あっ、悪ィ……で、好きなん？」
赤「好き…というか…その…気になる？みたいな？」
だから淳太くんにお付き合いしてるひとがいるか、どんなひとがタイプなのか知りたいんです！と目の前の幼気な少年はアイドルらしい大きな目を輝かせる。
橙「いま彼女はおらんかったはず。好きなタイプはよう知らん。てか本人に直接聞いたらええやん」
赤「無理です無理です無理です！」
結局崇裕にも相談をふっかけたしげはレッスンの合間や駅までの帰り道など隙を見つけては俺と崇裕にも恋愛相談から活動報告をしてきて、嗚呼こいつ本気なんや、こっちも真剣に聞いたらんと──崇裕とそう決めた矢先のことだった。
黄「……男やけど生理がくんねん…ごめん…」
突然のカミングアウト。生理は授業で習ったし元カノにそれを理由に拒否られたから知ってる。知ってはいるけど理解しがたくて、男の淳太くんに生理がくることも淳太くんが謝ってきたことも──。
赤「最近淳太くんにアピールしてんすよ！」
紫「あー…多分やけどあいつ気づいてへんで」
赤「勇気出してやったのに？」
橙「言うとくけど鈍感な淳太くんに変化球放ったとこで無駄やって。意識してほしいならな、直球をストライクゾーンのど真ん中に投げ込まな意味ないで」
数日後のレッスン終わり、俺と崇裕はめずらしく淳太くんに誘われて駅とは逆方向のファミレスに来ていた。注文を済ませたあと黙りこくってしまった淳太くんはキョロキョロと周りを確認して、ひとつ息を吐いてからぽつりぽつり話しはじめた。
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作者名：26 | 作成日時：2022年2月11日 16時
