赤黄１５ ページ49
次男います。
次男がかくれんぼを覚えてからというもの暇さえあればかくれんぼ、家でも外でもかくれんぼ──本日も家族全員強制参加のかくれんぼ選手権開催です。
黄「１０数えるから隠れてや。よーい、ドン！」
弟「ままぁ…」
兄「こたくん、ママはおにやからいまあかんよ」
弟「……ぁい」
オニから隠れるどころか目をつぶって１０数えてる淳太にそろーっと近づいていくママっ子の弟。おにいちゃんにやさしく諭され、哀愁を漂わせながらとぼとぼとプレイスペースのボールテントに入っていった。
黄「〜じゅう！せなくんとこたくんどこやろ〜？」
おい俺のことも探せや。というのは置いといて、淳太の猿芝居がはじまれば、ほらすぐに。
弟「まーまっ」
黄「あれ、こたくんの声がする」
弟「こたくんここよ」
黄「あらら…自分からでてきたらあかんやーん」
弟「んへへ」
弟はかくれんぼになるときまってボールテントに隠れるってわかってるけど、すぐ見つけちゃっても可哀想やから泳がすんだけど淳太がオニだと見つけてもらうのを待てずにアピールした挙句、自ら姿を現してしまう。かくれんぼ＃とは。可愛いからいいけど。
弟「せなくんどこぉ」
黄「どこやろなぁー…あ、せなくんおった」
兄「んぅ〜みつかっちゃったぁ…」
２回戦目はおにいちゃんがオニでスタート。隠れるのが上手になったおにいちゃんは見つけるのも上手で、弟と手を繋ぎながら走ってきて「パパみっけー！」って言われるの……悪くない。
弟「はーち、なーな、ずー。もういっかい！」
デタラメな１０秒を数えたあと確認するつもりがアンコールしてる可愛いオニさんが本日の最終戦──可愛いすぎて俺も淳太もいたずら心がくすぐられて絶対に見つけられないようなところに隠れる。
弟「まーまぁ…ぱーぱぁ…せなくぅ…！」
誰も見つからなくて怒ってるような泣いてるような声と慌ただしい足音を聞きながら身を潜めていること…何分が経っただろう。やけに静かだ。
赤「淳太ぁ、こたは？」
黄「見て」
赤「は？寝てるやん！」
黄「誰も見つからんから不貞寝したと思われる」
廊下の真ん中で仕事を放棄して不貞寝してた可愛いオニをだきあげて、健気に隠れたまま見つけてもらうのを待ってるであろうおにいちゃんを探しにいく。
黄「あらあらこっちも」
赤「ここに隠れてたらそら寝てまうわ」
布団をめくったら待ちくたびれてぐっすりのおにいちゃんをみつけた。わが子の可愛さに完敗です。
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作者名：26 | 作成日時：2022年2月11日 16時
