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紫黄3−2 ページ37

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桃「なんで俺呼ばれてん!」

 翌日の土曜日、重岡くんがひとりでやってきた。淳太からは何も聞かされてなかったけど、わかりやすく朝からずっとそわそわしてて家で過ごすとは思えない気合いの入った洒落た装いをしていたから先手を打たせてもらった。

桃「……それは重岡がクロでほぼ確定やろ」

紫「やっぱそうかな…でもあいつらまだ中2やで?」

桃「アホか、中2だからやん。中2なんて寝ても覚めてもそういうことに興味津々で元気いっぱいのお年頃やんか!?」

紫「ええ〜…淳太ぁ…」

突然の呼び出しにふてこいてた望も、重岡くんを送ってから20分以上経っても帰ってこなかった淳太の鎖骨にほんのり赤い痕があったことを話すと血相を変えて閉ざされた淳太の部屋のドアを見据えた。

桃「いまこの瞬間もあの扉の向こうでは…」

紫「あああああ〜!やめてや!!」

黄「おとん!? …あれ、のんちゃん来てたんや!」

桃「ちゃあんとテス勉してるかー? そこの坊主も」

赤「……してますよ、ちゃあんとね」

望の存在を捉えた重岡くんの眉がぴくりと動いてあからさまに怪訝な表情を浮かべ、淳太も戸惑っているが、そんなことお構いなしに淳太をうしろからがっちり抱きしめながら「のんちゃんが教えたろ!」と部屋に進む。この強引さが望の強みで、俺がここに望を呼んだおおきな要因のひとつである。

桃「……」

紫「……中学生ってむずかしいこと習ってるんやな」

中学修了済みの経験豊富なおじさんとおにいさんに任せんしゃい!と息巻いて入っていったのはよかったけど難しくて撃沈。淳太に邪魔!と追い出された。

紫「…まあ…そういうお年頃やし…」

桃「さっき淳太に抱きついた時に鎖骨見たけど間違いなくキスマークやったわ。しかも1個やなくて何個もあったで」

紫「お〜〜〜…父としてどうするのが正解なんや…」

桃「……俺あの坊主としゃべってみる」

紫「ええ…おまえらバチバチやん…なんか心配や…」

桃「アイツが淳太に本気なら大丈夫。せやからこの案件ちょっとばかり俺に預からせてくれへん?」

望は仕事のできるヤツだ。それに淳太のことを本当の弟のように溺愛しているから淳太が傷付くような結果には絶対しないと断言できるだけの安心感がある。

紫「センシティブな内容やから親より、歳の近い望が出たほうがいいかもしれへんなぁ…望、頼むで」

この日も重岡くんを送った淳太の戻りは遅かったけど望からは「もう大丈夫」とメール。あいつ何したん?
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作者名:26 | 作成日時:2022年2月11日 16時

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