紫黄3−1 ページ36
父子hmjn(sgjn)
仕事終わりにスーパーに寄ってから帰宅すると玄関に白スニーカーが3足並んでいた。淳太と、あとふたつは──小学生の時はそんなでもなかったけど中学生になって理解力がついてくると定期考査で俺が学生時代に体育でしかとったことない点数と順位を取るようになり、テスト前は淳太の解説を求めて友達が訊ねてくるようになった。とはいうても。
青「…あ、お邪魔してます」
紫「お〜流星いらっしゃい」
青「トイレ借りまーす」
藤井流星くん。淳太とは5年生から同じクラスで、意地悪されてた淳太を守ってくれてた大事な友達。おかげで名前だけは知ってて。学校行事でたまたま見つけたどえらい男前のクラスメイトが流星と知った時はたまげた。
赤「りゅうせぇ!俺もトイ…っ、こんばんは!」
紫「やっぱしげちゃんも来てたかぁ」
そしてこいつは言わずもがな。
なんやウチの可愛い淳太と付き合うてるらしいなぁ。
赤「お…お邪魔してます、お父さん」
紫「……テスト勉強。がんばりや?」
赤「はひ…」
と、まあ、家にくるのはサッカー部所属で熱心に練習に取り組むあまり勉学が疎かになっているこのふたりくらい。
黄「おとんおかえり」
紫「ただいま。テスト勉強捗ってるか?」
黄「ぼちぼち。それで悪いんだけどー…」
紫「晩メシな。チャーハンでええやろ?」
黄「ん、ありがと!ほなごはんまで勉強してくる!」
ぽんっと淳太のまわりに花が綻ぶ。あー可愛い。
笑った顔がねこちゃんみたいになるの嫁にそっくりや。
紫「ほれ食べ盛りの野郎ども、メシの時間やでー!」
淳太もだいぶ食べるようになったけど、帰宅部の淳太と運動部のふたりではくらべものにならないくらいの食べっぷりで作りがいもあるし見ていて気持ちいい。
青「腹いっぱいになったら眠たなってきたぁー…」
黄「明日休みやし流星泊まって、」
赤「…あかんやろ?」
黄「あっ…はい……」
青「淳太顔真っ赤〜」
黄「…うるさい」
へえ。重岡くん。ふーん、やるなぁ。
紫「でもせやな、泊まる時は事前に言うてくれな、おまえらよう食うからこっちも準備が必要やねん……まっ、うちはいつでも勉強合宿大歓迎やし、勉強会も大歓迎やからまたおいでや」
ふたりを送ってくると出ていった淳太が帰りが遅いのも、帰ってきてしばらく目が合わないのも見ないフリしてきたけど、淳太くん、カッターシャツからチラッと見えた鎖骨のそれはお父さん黙ってられへんかも。
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作者名:26 | 作成日時:2022年2月11日 16時