赤黄１−２（★） ページ4
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退かない俺に痺れを切らした淳太くんがひとつ舌打ちをして立ち去ろうとした立ち上がった時、咄嗟に手首を掴むとそのまま胸まで引き寄せた。
赤「…嫌や。嘘つかんといてください。」
黄「嘘やないよ…疲れてんの…離せって」
赤「嫌や！」
このひとはきっとカミングアウトする前も、したあとも俺たちに心配と迷惑をかけないようにずっとこうやってひとりで抱えて、隠して、戦ってきたんだ。
赤「代わってあげることもすべてを理解してあげることもできへんけど…頼りないかもしらんけど手を差し伸べることはできるから…だからっ！」
黄「しげ、わかった、わかったから落ち着い、」
赤「好き、なんです…淳太くんのこと…」
黄「………は？」
言った。言ってしまった。今度は俺が逃げる番だ。
呆気にとられて可愛らしい間抜け顔を晒している淳太くんに「あははは…」と下手くそすぎる笑顔でゆっくりゆっくり離れようと試みるも、淳太くんがそれを許さない。
黄「…お前あほちゃう？」
赤「へっ…確かにあほではあるけど」
黄「俺ふつうとちゃうねんで。絶対大変やで。」
赤「〜〜〜っ、そんなん関係ない！」
黄「…やっぱほんまもんのアホやわ」
ぎゅうと抱きしめられて「あ、しげ暖かい」とゆったりした声に手持ち無沙汰になっていた右手で背中から腰をさすってみる。掛けられた体重がずしりと重くなったと思ったら寝息が届いてきた。
赤「えっ！なーんで！？」
黄「俺らみたいなまだデビューもできてないジュニアの分際で色恋沙汰にうつつ抜かしてたらあかんやろ…てかそんな余裕ないねん」
赤「淳太くんに抱かれたのに」
黄「紛らわしい言い方すな！…とにかくデビューするまで付き合うとかそういうのはありえないから。無理なら諦めて」
赤「〜〜〜っ！」
つまりはデビュー出来なかったらどっちにしろ淳太とは付き合えないってことで…頷くしかなかった。それでも明らかに縮まった距離を照史は不信がってたけど。
黄「ん〜〜〜〜ごめぇん……」
赤「しゃべらんでいいから。あ、流星毛布取って」
青「ほいっ。きてもうたんか」
赤「さんきゅ。最近情緒不安定やったしな〜」
黄「あーなんで気づいた途端痛くなんねやろ」
こんな風に腹が〜腰が〜ってマットを布団代わりにしてヒーターの前で丸くなってる淳太の姿も見慣れたもので、メンバーの前で弱味を見せてくれるようになったのが嬉しいような寂しいような、なんて。
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作者名：26 | 作成日時：2022年2月11日 16時
