紫黄１−１ ページ28
父子ｈｍｊｎ
小学校の中学年になったあたりから洋服に興味を持ちはじめて、おしゃれに無頓着な父の代わりに小瀧と目当てのショップが近場にないとかで買い物のためだけに電車に乗って遠出まですることもあった淳太だけど──中２になって色気付きすぎでは。身だしなみに気をつかうのはとてもいいことだけどとにかく風呂と洗面台を占領している時間が長すぎる。最近は学校が休みの日に小瀧から誕生日にもらった香水をつけるなんてことも…。
紫「何もつけんでもいい匂いなのに」
黄「うわっ！もう！やめろや、くすぐったい！」
紫「淳太はなんもせんでも綺麗な顔してんで？」
黄「……ほんまに？前髪とか変になってない？」
紫「おう、ベリベリキュートや！！」
黄「なんやねんそれ…あ、もう時間やから行くわ！」
紫「あんま遅くなりすぎんようにな」
──はい、全タカヒロ集合。絶対デートやろ、ふつうに友達と遊ぶだけならクローゼットひっくり返してファッションショーして小瀧に写真送ってまで洋服選ばないし、何度も鏡で前髪チェックしたりしないやろ…淳太のやつそわそわしすぎて６時には起きてたし歯磨きなんて２回してたで…ああやっぱりデート…そうでなくても意中のひとと遊びに行ってるに違いない。
桃「何言うてんの、淳太なら中１の終わりにあのクソ生意気なガキから告白されてつきあってんで。あれ…もしかして�陲舛磴鹵里蕕鵑�ったやつ？」
紫「…え…知らんよ…そのクソ生意気なガキって淳太がずっと片想いしてた重岡くんのことやんな…先週もウチに遊びにきて淳太の部屋でずっとふたりで…え！え！あかん！まだはやい！」
桃「うるさっ！」
紫「あの子らまだ中学生やで！？」
桃「あ〜…はいはいお父さん落ち着いて。まだあのふたりはちょっと前にはじめて手繋いだところやから」
毎度のことながら父親より親戚でもなんでもない会社の後輩のほうがくわしいことを不満に思いつつもわが子のピュアで甘酸っぱい恋愛事情にひと安心。
紫「──あ、噂をすれば」
桃「淳太おかえり。おじゃましてまー…あれっ？」
紫「ちょお…淳太どっか調子悪いんか！？」
いつもなら「のんちゃん来てたんや」って寄ってくるのに今日は帰宅するなり脇目も触れずまっすぐ部屋に入ってしまった。心配になって望と部屋を覗くとまくらを抱きしめてぽけーっとしてる淳太。ふとくちびるに触れるとボッと聞こえてきそうな勢いで頬を染める。
桃「これは」
紫「…けしからん」
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作者名：26 | 作成日時：2022年2月11日 16時
