赤黄９−１（★） ページ26
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世間的には大型連休の最後だったり、連休が明けて一拍おいてからの休日だったりする日曜日もカレンダーの赤も青も黒も関係ない俺にとっては５月２週目の日曜日でしかなく朝から収録に来ていた。ＧＷをライブツアーをまわる両親に振り回されていた息子は久しぶりに自宅でしげとのんびり過ごしていて、その様子がしげから写真や動画で届けられてほっこりする。
黄「あいつらどっか出掛けてるやん」
２本目の収録を終えてスマホを確認すると２時間前に届いていた動画にはオフモードのしげとだっこ紐のなかから眩しそうに眉を顰めてカメラを睨んでいる息子の姿。散歩にでも行ったんかな。これから帰る旨のメッセージを送ればすぐに返信がかえってきた。
黄「ただいまぁ」
赤「おかえり。おつかれさーん」
息「まっ」
黄「せなくんただいま。パパと遊んでたん？」
赤「ボール遊びしてんなぁ」
しげにだっこされて出迎えてくれた息子がだっこをせがむように腕を伸ばしてきたので応える。このずっしりしてきた体重とぽかぽかの体温と赤ちゃんの匂いを抱きしめると帰ってきた〜って実感する。
黄「ごはん作ってくれたん？」
赤「おん。せながお利口さんに昼寝してる間にな」
黄「公園行ったならよう寝たやろ」
赤「公園？」
黄「外におる動画送られてきたから、公園にでも行ってそこでボール遊びしてきたんかと思ってんけど…」
赤「え、あ、そんなとこ」
しげの煮え切らない返事をして「まだ途中やねん」とキッチンに入っていく姿に小首を傾げつつも部屋着になるために自室へ。ついでに息子のおむつも替えてからリビングに戻るとドッタンバッタンと大慌て。
黄「何してんねん」
赤「いや……えっと…いつもありがとう」
黄「……へっ？」
しげが差し出してきたのは一輪の花。花や草の知識がない俺でも知ってるそれを見て、今日が母の日だと思い出す。自分の母親には先週ツアーで大阪に行った時に足を伸ばして母の日を済ませていたから終わった気でいた…ていうか俺も母にあたるのか。
黄「昼間のはこれ買いに行ってたん？」
赤「そういうこと」
花屋で大量のカーネーションが生けられたバケツのまえに立ってせなが指差したやつを選んだと誇らしげに教えてくれたしげを片手に息子をだっこしたまま抱きしめる。
黄「俺をママにしてくれてありがとう」
赤「…淳太」
しげの無骨な手が頬に添えられ睫毛を伏せる。
くちびるが触れあうまで数センチ──ぺちっ。
赤黄「あっ」
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作者名：26 | 作成日時：2022年2月11日 16時
