赤黄８−２ ページ23
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淳太がいきなり変なことを言い出したから黙って聞いていれば意味のわからんことをぺちゃくちゃぺちゃくちゃと──否、淳太の言っていることの意味がわからないわけじゃない、むしろ言いたいことはよくわかる。
赤「…あ。やっとそのくだらねえ話終わった？」
黄「くだらないって…なんやねん…俺は、」
赤「俺はお前のことを思って、だったとしたら俺の意思はまるで無視してクソくだらねぇ提案してきたんやから絶対俺のためなんて言わんといてな」
黄「……っ」
赤「あー…それとも俺のこと下半身が脳みそ直結の我慢が足りへん猿とでも思ってバカにしてんの？」
黄「はあ！？そんなわけないやろ！」
赤「あーあ、失礼しちゃうわ。悲しいわー。」
黄「ちゃう言うてるやん、ひとの話聞けや！」
赤「ひとの話聞かへん、ひとの気持ちも考えへんでひとりで勝手に話進めてんのはどっちやねん……はぁ…もうええわ」
黙って俯いたままの淳太から目線をはずして途中だった夕食を再開する。壁に掛けた時計の針の音がやけに耳につくリビングの居心地は最悪で逃げるようにとっとと食事と後片付けを済ませ、なおも俯いたままの淳太を置き去りにして自室に向かった。
赤「……なんやねんあいつ」
そりゃあ溜まってないと言うたら嘘になるけど。だからって手頃な女を引っ掛けるつもりも安くもない金を払ってそういうお店の世話になるつもりもない。ていうか今更淳太以外のひとを抱こうなんて微塵も思っていない。
それなのに淳太ときたら。
赤「……くそっ、腹立つ」
淳太が俺をエロガキみたいに思ってたことは癪だけどこの際どうでもよくて、問題は淳太のなかで俺が浮気する可能性が微粒子レベルだとしても存在していること。無性にムカつく。腹立たしい。そして未来永劫淳太以外の人間を抱くつもりはない、それが伝わってなかったことが──淳太には俺以外の選択肢があるのかもしれないと思ったら悲しくて虚しくなった。
曲作りや台本読みに没頭してしまってもすぐ仮眠が取れるように置いたソファベッドは、たかが仮眠とはいえど淳太がいるのにひとりで寝る意味がわからなくてキリのいいところで作業をやめて結局寝室のベッドで寝てたから、いつからか淳太とケンカした時にひとりで寝るためのモノになっていた。
赤「……寝られへん」
──淳太はちゃんと眠れているだろうか。
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作者名：26 | 作成日時：2022年2月11日 16時
