赤黄８−１ ページ22
28.5話
きっかけは仕事のおやすみをもらっていなければ見ることがない時間帯にやっているワイドショーの特集だった。主な視聴者が主婦層の番組にありがちな女性を対象にした街頭インタビューで内容はここ数日テレビで名前を聞かない日はないくらい騒がれている某俳優の不倫から『あなたは彼氏・旦那に浮気をされたことがありますか』というもの。
黄「みんなすごいなぁ〜…」
20代のギャルから70代の銀座と巣鴨のマダムまで浮気の基準もそれぞれでそんなんも浮気になんの？ってものから不倫を疑って探偵に依頼したり彼氏・旦那の浮気相手と対峙してどうこうなんてえげつないものまで多種多様。たまにラジオにもこの手のメールが届いてびっくりするけど世の中にはすげぇ恋愛してるひとがたくさんいることに恐れ慄いたし、そんな心配１ミリもしてない自分に気づいた。
──私が浮気されたのは妊娠中です。
黄「えっ！？」
──里帰り出産だったんですけど、私が実家に帰っている間に旦那は自宅に浮気相手を連れ込んでいて。
黄「最低やな」
──離婚も考えたけど子どものことを思うと…私と旦那の両親の前で謝らせたら２人目を妊娠した時は毎晩定時で帰宅してテレビ電話、週末は必ず私の実家に来るようになりました。
ちなみに信頼回復することはないです！と言い切った顔出しNG・40代主婦のインタビューを他人事とは思えなかった。もし俺に嫁がいたら妊娠中に関わらず浮気は絶対にしないけど男だからこそ理解できる部分もある。それでも我慢しろよとは思うけど。
黄「あの、さ…しげは……溜まったりしてへん？」
赤「んー？ストレス？疲れ？」
黄「………せーよく」
赤「……は。はぁあああ！？」
仕事から帰ってきたしげがごはんを食べているところに質問を投げかけるとキョトンとしてから驚きと怒りと困惑が混ざったなんとも言えない表情を浮かべてこちらを見遣る。
黄「……声デカいわ」
赤「淳太が変なこと言い出すからやろ」
黄「だって妊娠がわかってからはその…ほら…ご無沙汰やしぃ…でもしげは若いし体力もあるしであり余ってるんちゃうかなーって…」
赤「だったら何、ご奉仕でもしてくれ、」
黄「プロやったらええから」
赤「…は？」
黄「ちょっと高いけど会員制のとこなら女の子も可愛いし情報漏洩の心配もゼロやないけどほかに比べれば安心やって聞いたことあんで！？」
バンッ！と大きな音をたててしげが持っていた箸を食卓に置いた。
黄「…しげ？」
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作者名：26 | 作成日時：2022年2月11日 16時
