赤黄１−１（★） ページ3
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切羽詰まった表情の淳太から自分は男だけど女性のように毎月生理がくるとカミングアウトを受けた時はまだ女の子なんて数人しか知らなくて、保健の授業で習った知識と家に女兄弟がいたからなんとなく��あの大変なやつ��くらいの認識だった。
紫「淳太のやつさすがにトイレ長すぎん…？」
橙「ほんまやな。ちょっと俺、」
赤「様子見てくるから練習再開しといてや！」
もうそろそろデビューしないとお兄ちゃん組はいろいろ厳しくなってきた頃には淳太の生理は俺たちに浸透していた。めずらしくイライラしてると生理前か？とかトイレに行く回数が多いと生理か？みたいに──理解した気になって全然理解できてなかった。
赤「あっ淳太くんおった、こんなとこで…大丈夫？」
黄「…大丈夫。ちょっと貧血で眩暈しただけやから」
赤「もしかして生理…？」
黄「……まあ」
子どもの俺でもわかるくらいに顔色が悪くて絶対大丈夫じゃないのに大丈夫の一点張り。実際、ひと息吐いてから稽古場にもどった淳太くんは何もなかったみたいにけろっとしていて誰も体調が悪いなんて疑いもしなかったんだけど。俺は見てはいけないものを見てしまった、そんな気がして胸がざわつく。
赤「生理ってしんどい？」
姉「は？きもっ。」
怪訝な顔と辛辣な言葉を浴びせられたけど、姉ちゃんがいうには生理痛？っていうのがあって症状も症状がでる箇所もひとさまざまだとか。
赤「生理の時にバチバチ踊れ言うたら」
姉「無理無理無理っ！できるなら動きたくない！」
赤「へえ〜…」
ということは、毎日変わらず稽古してる淳太くんは生理も生理痛も軽いんだろうか…じゃあ昨日のあれは何だったんだ。たまたま体調が悪かっただけ、とか？
姉「ていうかいきなり何…彼女…？」
赤「えっと、まあ、そんなとこ…？」
うわ〜っ！言ってしまった！淳太くんごめん！俺は秘かにそうなったらいいな〜とは思ってるけど、なんて考えてたらにやにやしていたみたいで姉ちゃんから本日二度目の「きもっ」が飛んできて無理させたらあかんよ！と釘を打たれた。
黄「……うわ」
翌日、廊下のベンチで項垂れていた淳太くんを見つけて隣に腰を下ろすとこちらをみた淳太くんがあからさまに怪訝そうに眉を顰めた。
赤「ひとの顔見てそのリアクションはひどない？」
黄「あー…ごめん。ちょっといま疲れてておまえにかまってあげられる余裕ないからどっか行ってくれ」
赤「嫌や」
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作者名：26 | 作成日時：2022年2月11日 16時
