緑黄５−２（★） ページ20
.
赤「じゅんたねんねしてる」
起こさないことを約束に淳太が寝ている寝室に大毅をだっこで連れてきた。３歳児ってそんな表情すんの？ってくらい慈愛に満ちた顔で淳太の寝顔を見つめていた大毅は、この日を境にぱったりと癇癪を起こさなくなった。
橙「騒がなくなったのはええけど、俺にまで甘えてくるし大人しい大毅って変な感じする…」
緑「あんだけ毎日何十回何百回と聞いてた大毅の��じゅんたぁ��がなくなると調子狂ってまうよな…それにあの子毎晩泣いてるやろ？」
橙「気づいてたん？」
緑「毎朝パンパンに腫れた目で起きてこられたらな」
朝は淳太も起きてきて照史と大毅を小学校と保育園に送りだすから、大毅が毎朝目を泣き腫らしていることは知っている。これまでは大毅が保育園行きたくないって泣いてたのに今は淳太のほうがぎゅうううううと抱きしめて離さないから大毅が困ったように「ほいくえんいかれへ〜ん」「じゅんたばいばい」と俺と繋いだ手にぎゅっと力を入れて痛々しく笑う。
赤「……じゅんた」
ふと大毅が見当たらないと思えば、寝室の前に座って淳太の名前をつぶやきながらドアノブに手を伸ばしては引っ込めて葛藤していた。そんな姿見てられなくてぎゅうと抱きしめるとぽろぽろと声も出さずに泣きはじめた。
赤「とと ほいくえんは？」
緑「今日はおやすみ」
赤「だい げんきやで」
緑「そんな元気いっぱいの大毅にととからおねがいがあんねん…今日ととお仕事いっぱいあって忙しいんよ。やから淳太のこと大毅にまかせてもいい？」
赤「んえ？」
緑「淳太と一緒におって、淳太になにかあったらととにおしえる、重大任務！やってくれますか？」
赤「やるっ じゅた すぐ」
約束事を伝えるはずが、大興奮の大毅はピューンと効果音が聞こえそうな猛ダッシュで一目散に寝室に行ってしまった。
緑「だいき〜……ですよね」
昼休憩になって昼ごはんを食べさせるのに寝室を覗いてみたら、仲良く身を寄せあっておんなじようにくちをぽけっとあけて寝ていた。淳太が食べられそうなものは持ってきてるから大毅だけでも連れていこうと抱き上げるけど淳太の服を掴んで離さない。
黄「いてて…」
緑「ごめっ！」
黄「だい、ととが来たよ」
赤「や」
今日だけ特別ということで淳太と同じメニューで、夜ごはんも秒で完食してすぐ淳太のもとへ──翌日保育園に行きたくないと泣いたのは想定内。
大毅くん、悪阻が終わるまでよくがんばりました。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 227人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：26 | 作成日時：2022年2月11日 16時
