緑黄１−１（★） ページ1
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たまたま保育園の年少のクラスがおなじで、たまたま親同士がなかよくなってから中学卒業までずっと一緒にいた。賢い淳太とアホな俺で高校は別々になったけど休みの日はしょっちゅう遊んでたし、こいつとは大人になってもずっとこうして一緒にいるものだとなんとなしに思っていたんだ──あの日まで。
紫「もうひとり友達呼んでもええか？」
緑「ええよ。クラスのひと？」
紫「ちゃう。Ｋ学院通っとる幼馴染みやで」
緑「めっちゃ頭いいやん緊張すんねんけど」
夏休みのある日、軽音同好会の後輩・神ちゃんが遊びにきてるところに何を思ったか淳太を呼び出した。これが俺たちの運命を大きく変えるきっかけになるなんてことも露知らず、淳太がやってくるまでの間ひたすら淳太のことを１から１０まで自慢話のように話していた。
黄「お手洗い借りるな」
紫「んー」
緑「……」
紫「神ちゃんもトイレ？」
緑「え、あ、ちゃう。このゲームおもろいわ〜！」
淳太がきてからというものどこか様子のおかしい神ちゃんに違和感を覚えていたけれど、初対面の淳太に人見知りしているんだとばかり思っていた…いや、そう思いたくて緊張してるだけだと言い聞かせていた。
紫「…ふたり揃ってどしたん。めずらしいやん。」
半月が過ぎた頃、家のまえにふたりが待っていた。
なんだろう…心がざわつく。
緑「俺たち付き合うことになったんよ」
紫「………え、はっ？」
黄「じつは�陲舛磴鷁箸罵靴鵑世△箸�ら神ちゃんにめちゃくちゃアプローチされててさ…ほいで、俺たちがつきあうきっかけは�陲舛磴鵑笋辰燭�ら報告、です」
紫「あ、あ、そうなんや」
衝撃だった。だって淳太とはずっと一緒にいるもんやと思ってたから──神ちゃんはいいヤツや。家から近いって理由でうちの高校を選んだだけで勉強もできるし、優しくて男気もあるから不器用で危なっかしい淳太のことを守ってくれるだろう。だけど、だけど。
紫「神ちゃんちょっとええか」
緑「どしたー？」
紫「淳太のこと泣かしたら許さへんから」
ずっと一緒にいた大切な幼馴染みを俺から掻っ攫っていくんだから、これくらいの覚悟はしてもらわないと割に合わない。
「知らんうちに淳太のこと好きやったんかな──…」
もしも過去にもどれるとして夏休みのあの日、淳太を呼び出さなければふたりが出会うことはなかっただろうか。否、どんな巡り合わせでもあのふたりは必ず出会って恋をする。そんな気がする。
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作者名：26 | 作成日時：2022年2月11日 16時
